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学童疎開の苦難を語り継ぐ 関西の体験者ら本出版

「子供たちが寂しくてひもじい思いをした時代があったことを知っていてほしい」と話す福山琢磨社長
「子供たちが寂しくてひもじい思いをした時代があったことを知っていてほしい」と話す福山琢磨社長

 風化しつつある戦時中の学童疎開の体験を次世代に伝えようと、関西在住者らでつくる「国民学校と学童疎開を考える会」が、会員らの体験談などをまとめた「学童疎開を語り継ぐ」を出版した。編集委員長を務めた新風書房の福山琢磨社長(85)は「子供たちが寂しくてひもじい思いをした時代があったことを知っていてほしい」と話す。(北村博子)

 同会は、約10年にわたって主導的な役割を果たしてきた奥村誠一理事長と寺師一清事務局長が、一昨年と昨年に相次いで亡くなったこともあって、近く解散することを決定。その前に、活動記録や疎開体験の思い出をまとめることにした。

 空襲にさらされる都市部からの学童疎開は今から75年前、戦況が悪化した昭和19年6月30日に決定。大阪市でも小学3~6年生が、縁故を頼って疎開を始めた。縁故疎開ができない子供たちは集団疎開の対象となり、滋賀県や石川県、広島県などの受け入れ先に向かった。

 ただし、疎開できたのは全員ではなく、布団や費用が工面できなかったために大阪に残らざるを得ず、空襲で亡くなった子供も大勢いる。

 「学童疎開を語り継ぐ」は、第1部を会員の手記、第2部を学童疎開展実行委員会事務局が平成2年に発行した「戦争を生きのびた子どもたち」で構成。集団疎開、縁故疎開、受け入れ側の3項目に分けた体験談を、写真を添えて紹介している。

 食べ物に関する思い出が目立ち、皇后陛下から疎開先の子供たちに贈られた「ビスケット」もたびたび登場する。不衛生な環境からノミやシラミに悩まされたこと、慣れない場所での生活で親恋しさがつのったことなども体験者に共通する話題。つづられたエピソードの数々には、疎開先で感じたさまざまな思いや苦悩、大人に対する不信感などがにじみ出ている。

 問い合わせは新風書房(06・6768・4600)。

     ◇

 同書の出版を記念して、7月21日に大阪市西区の市立中央図書館で体験記録の朗読会を開催。集団疎開を描いた映画「ボクちゃんの戦場」の上映もある。午後1時半~4時半。参加無料。問い合わせは同館(06・6539・3326)。

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