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【話の肖像画】チベット難民の医師・西蔵ツワン(67)(12)故郷への思いと教訓

 〈中国では新疆ウイグル自治区などでも少数民族の迫害が懸念されている〉

 最近では、香港政府が中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を立法会(議会)で通そうとしましたが、歴史的には中国共産党がチベットやウイグル族を支配下においてきた活動の延長だと思います。「解放」の名の下に勢力圏を拡大する中国と1950年代にチベットが対峙(たいじ)したとき、世界は誰も助けてくれなかった。その結果、大量の中国人がチベット本土に流入し、環境を破壊し、チベット独自の文化を制限し、同化政策を進めていった。しかし国際社会はやっと、覇権を目指す中国の手法を理解し始めたのではないでしょうか。巨大経済圏構想「一帯一路」の名の下にスリランカ南部ハンバントタ港の整備に融資し、巨額の債務と金利を返済できなくなったら99年間の貸与という形で手に入れたのが一例です。こうした「債務のわな」への懸念は、習近平国家主席が「持続可能でリスクを防ぐインフラ建設を進める」とした今でも消えていません。

 歴史の真実を語る自由は放棄しません。一方でチベットをめぐる政治の現実の対応として独立を唱えるのは「時すでに遅し」と感じています。今、亡命政府は中国からの分離、独立は求めず、チベット民族の高度な自治を求める「中道のアプローチ」を唱え、亡命チベット人の9割が賛同しています。この考え方には国際社会の支援があり、中国にも賛同してくださる有識者が多くいます。もし習氏が受け入れ、各少数民族の高度な自治が尊重されるならば、ノーベル平和賞に値します。法王様がチベットにお帰りになる日が来たら、私もお供したいと思います。(聞き手 平田雄介)=次回は14日から、メキシコ五輪男子マラソン銀メダリストの君原健二さん

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