ライフ ライフ

運動中のバストが悲鳴!? スポーツブラ選び「知っておきたい5つの事実」

実際の接客の現場で知った「スポーツブラ」への誤ったイメージを語る柏崎美枝さん
実際の接客の現場で知った「スポーツブラ」への誤ったイメージを語る柏崎美枝さん
その他の写真を見る(1/8枚)

 健康志向の高まりから、ランニングやフィットネスなど普段から運動を楽しむ人が増え、スポーツウエア市場は年々拡大傾向だ。ところが、運動用に作られた「スポーツブラ」を使っている人は意外に少ないという。1995年からコンディショニングウェア「CW-X」でスポーツブラを展開している下着メーカーのワコールによると、運動時のスポーツブラの着用率は約3割。同社の販売部教育課の柏崎美枝さんは「運動時にはバストが大きく動いていることが知られていない。スポーツブラの用途を理解していない人も少なくない」と話す。スポーツブラは普通のブラとどこが違うのか。なぜ着用する必要があるのか。取材を通じて、「知っておきたい5つの真実」が見えてきた。

バストのSOS気づいていますか? スポーツブラ7割未着用

 スポーツ用品市場は好調だ。矢野経済研究所によると、2018年のスポーツ用品国内出荷金額は前年比4.0%増の1兆5365億円となる見込みだ。ところが、ワコールで10年以上の接客経験を持つ柏崎さんは、スポーツブラの着用率について、「実は10年前から3割という数字は変化がありません」と語る。

その他の写真を見る(2/8枚)

 柏崎さんは、別のスポーツメーカーに勤めていたが、「CW-X」の商品に惚れ込んでワコールに転職。販売実績が評価され、現在は販売部教育課で後輩の指導や、スポーツブラ普及のためのセミナー講師を務めている。実際に店頭に立ち販売に携わっていたころから、「通常のブラジャーに比べて、スポーツブラは〝なんとなくの知識〟でアイテムを選んでいるお客様が多いように感じました。運動用ではないノンワイヤーブラでスポーツをされたり、スポーツブラをナイトブラとして使われたりと、デザインがよく似ているので用途を混同している人も少なくありませんでした」と振り返り、正しい知識を伝える必要性を痛感したという。

→「CW-Xのスポーツブラ」詳細はこちら(amazonサイト)

→「CW-Xのスポーツブラ」詳細はこちら(楽天サイト)

知っておきたい5つの事実

【1】普段のブラではダメ? 運動時にバストは大きく動く

 講師を務めるセミナーで、受講生からまず飛び出してくるのが、「どうして普段のブラで運動してはダメなんですか?」という質問。柏崎さんは「例えば、ランニングをしている時のバストは、ただ単に上下にユレているだけではなく、左右にも大きくユレています。マラソン大会では、そのユレが何時間も続くことになります」と、通常時との違いを指摘する。

その他の写真を見る(3/8枚)
運動中のバストの動きを熱心に語る柏崎さん
運動中のバストの動きを熱心に語る柏崎さん
その他の写真を見る(4/8枚)

 〝運動中のバストの動き〟について事業企画課の清家望さんは「バストは上下だけにユレるわけではありません。歩くから走るへ、速度が速くなるにつれて上半身のねじり動作も速くなります。そうするとバストは円を描きながらユレることになります」と解説する。

【2】小さいカップの人は不要? サイズ選びも大切

 次に多いのが、「バストサイズが小さい人は、運動してもユレないのでは?」という疑問だ。柏崎さんは「誤解です」と即答。「サイズにかかわらずバストはユレるため、スポーツブラを着用してユレを軽減することが大切です」と、警鐘を鳴らす。

 「CW-Xはアンダーバストサイズを選んだ後に、カップサイズも選択でき、幅広いサイズを展開しています。アンダーとカップの両方のサイズが合っていなければ、運動時にズレ、ユレなどのストレスの要因になります」と、サイズ選びの大切さを指摘する。

 柏崎さんは「サイズ展開のバリエーションと機能性に関しては、1964年に設立以来、4万人以上の女性の体を計測し研究してきたワコール人間科学研究所のデータと知見があり、下着メーカーとして積み重ねてきたノウハウを活かしています」と言う。

【3】バストサイズは変わらない? 体型変化や下着の経年劣化も要注意

 ただ、サイズバリエーションが豊富でも、着用する本人が自分のサイズを知らなかったり、体型の変化に気づいていなかったりするケースが多く、歯がゆい思いをしてきたという。「学生時代にバストを計測して以来、年齢を重ねても同じサイズを着用し続けて、サイズの変化に気づいていない人がいる」と柏崎は残念がる。合うサイズのスポーツブラを着用することで、スポーツに集中できるからだ。

 さらに「買ったときにぴったりだったブラが、運動と洗濯を重ねて伸びてしまうこともあります。スポーツブラも経年劣化は避けられないので、買い替えるタイミングも気にかけていただきたい」と、アドバイスする。

自分に合ったサイズ選びの重要さを語る柏崎さん
自分に合ったサイズ選びの重要さを語る柏崎さん
その他の写真を見る(5/8枚)

【4】苦しくて当然!? 締めつけるほど良いという“思い込み”

 先入観から生まれる誤ったイメージがもう一つ。〝スポーツブラは締めつけるほど良い〟という思い込みだ。柏崎さんは「バストが豊かな方ほど、きつく締めつけるサイズを選びがちです。〝サラシを巻く”イメージです(笑)。適切な選び方とは言えません」。スポーツブラを着用している人のなかにも、誤解している人がいるという。「スポーツブラは、小さいサイズを着けると、運動時にアンダーの位置がどんどんズレ上がってきたり、胸元が苦しくなったりするため、スポーツブラ自体に不快な印象を持ってしまうこともあるようです」と、柏崎さんは嘆く。

 「CW-X」のスポーツブラは、締めつけるのではなく動きに応じてバストのユレを軽減する構造を備えている。“RUN”“FITNESS”“TREK”などを展開しており、これは運動時の体の動きに応じて開発が進められてきた。清家さんは「最も注力した点は、バストの動きの研究でした。動作によってバストがどのように動くのか、この動きを捉え、商品設計に活かしています」と語る。開発にあたっては、「バストに様々な方向のテープを貼り、被験者に動いてもらう。また別の方向に貼って、動いてもらう…という検証を何度も何度も行いました。バストの動きを捉え、その動きに対応した設計は困難を極めました」と振り返る。ユレを軽減するには、きつく締めつけるのではなく、動きに追随しながらサポートすることが大切だったのだ。

左から:TREK=HTY160、RUN=HTY168、FITNESS=HTY057
左から:TREK=HTY160、RUN=HTY168、FITNESS=HTY057
その他の写真を見る(6/8枚)

【5】機能低下への落とし穴! 最後の最後に「整えて」

 柏崎さんは「最初の1枚は、店頭で試着してジャストサイズ、お好みのものを見つけていただきたい」と、語尾を強める。「試着室で両腕を振ったり挙げたりしながら、アンダーのズレがないかをチェックすること。上半身をしっかりねじって、生地のシワの入り方や両脇のフィッティング度合いまで確認してほしい」と、試着の大切さを説く。ネットで購入する場合でも、サイズ選びには慎重さが欠かせない。

 付け方もポイントだ。「姿見の前に立ち、しっかり胸の付け根の位置を確認しつつ、前後を水平に合わせて、そこからボリュームを丁寧に整えてカップに入れていく。普段のブラジャーをつける時と同じですね。Tシャツやタンクトップのようにサッと着てしまって、最後の〝整えるステップ〟を飛ばしてしまうと、せっかく適したサイズを選んでも、機能が発揮されにくくなります」。

ネットで購入の場合はこちらのサイズ表を参考に
ネットで購入の場合はこちらのサイズ表を参考に
その他の写真を見る(7/8枚)

キックボクシングで『FITNESS』を体験

 スポーツブラの必要性やサイズ選びの大切さ、正しい着用方法なども十分に学んだところで、最後にキックボクシング歴3年半の記者が、東京都世田谷区のジムで1時間ほどスポーツブラを試してみた。体を大きくひねることから、「FITNESS」(HTY057)をセレクトした。シリーズのなかで最も歴史のある品番で、軽さ、つけごこちの良さから、スポーツブラの定番と位置づけられている。

今回使用した「FITNESS/HTY057」
今回使用した「FITNESS/HTY057」
その他の写真を見る(8/8枚)

 まずアンダーのフィット感と締めつけすぎないカップのホールド感は、申し分ない。そのままウォーミングアップのストレッチを10分程度、縄跳び、サンドバッグとミット打ち、最後に柔軟と体幹トレーニングで終了した。

 キックボクシングは、キックもパンチも腰を回して上半身をひねる動作が多い。それにもかかわらず、激しく動いてもアンダーの位置のズレを感じない。バストの左右、上下のユレも感じることがなく快適だった。

 この点について柏崎さんは、「背中のセンターホールが、動きに対応しズレ上がりにくくしています」と解説。さらに「このスポーツブラは、成型カップで全体をホールドしています。脇部分は伸縮性のあるパワーネットを使い、上半身をねじる動きをしても、脇にバストが流れにくい設計です」と語っていた。

 また、「背面の“Yバック”は肩甲骨を動かしやすくし、肩ひもがズレにくいデザインです」という言葉通り、左ジャブと右ストレートを交互に激しく打ち込みを行った時の両腕の振りやすさも、大きな利点に感じられた。

 これまでもスポーツブラを着用してきたが、“締めつけていれば良い”という誤解をしていたことに加え、実はスポーツブラにも採寸が必要だったとは思いもしなかった。もっとも、スニーカーを選ぶときには、サイズはもちろん、足の幅や甲の高さにも気を遣い、これという1足を選ぶ人は少なくない。スポーツブラも然り。下着メーカーとしてトップを走り続けるワコールだからこそ実現できた、スポーツブラの目覚ましい進化を体感した。

(提供:株式会社ワコール)

ランキング