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【彰往考来 新時代のヒストリア】人類の未来とAIの歴史 松原仁・はこだて未来大学教授(6)

 数学をはじめ、分析的なアプローチをする専門家が「コンピューターは永久に知能を持てない」としてAIやシンギュラリティを否定するのは耳新しいことではありません。でも、われわれ工学者は構成論的なアプローチ-自分の手でつくること-によってAIや知能そのものを解明しようとしています。

 「まだ実現できていないではないか」と言われればその通りですが、だからといって人間の知能のような複雑なシステムが全て数学で分析でき、解明できるとは思えません。構成論的にあれこれやっているうちに実現してしまった。結果オーライだ-。そんな側面を持つ工学的アプローチのほうに可能性を感じます。

 ただ、シンギュラリティを可能にする「超AI」が誕生したさい、そこに生殖機能に基づく生存本能のようなものを持たせるのは人類にとって危険だと考えています。また哲学や芸術の主要テーマである「死」はAIにとって必要か否かについては、まだ個人的な結論に達していません。直観としては、死を迎えないAIでも人間と同じ知能を持っているようにふるまえるとは思うのですが…。

 いずれにせよ、シンギュラリティの到来の前にわれわれが解決しておかなければならない課題は少なくないのです。(編集委員 関厚夫)

 ※ すべての面で普通の人間そのものだが、その喜怒哀楽などさまざまな感情は機械的な反応・演算の結果として出力しているに過ぎない存在のこと

 まつばら・ひとし 1959(昭和34)年、東京生まれ。86年、東大大学院情報工学博士課程修了。同年、通産省工業技術院電子技術総合研究所(電総研、現在の産業技術総合研究所)入所。2000(平成12)年、はこだて未来大教授、16年より同大副理事長兼教授。ロボカップ日本委員会会長、観光情報学会長、人工知能学会長などを歴任。将棋はアマ5段。

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