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【彰往考来 新時代のヒストリア】人類の未来とAIの歴史 松原仁・はこだて未来大学教授(6)

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長崎の「軍艦島」を訪れたときの一枚=2010(平成22)年(本人提供)
長崎の「軍艦島」を訪れたときの一枚=2010(平成22)年(本人提供)
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 〈「恐怖心がないAIの手は、きわめて楽観的であるように感じるときがあります。まるで、痛みを感じないゾンビのような」「AIは思考の形が違いますし、そのプロセスがブラックボックスになっていて、人に理解できるものではない。このことは、これから問題になっていくような気がします」「多くの人は、高い能力のAIはミスをしないものだと思い込んでしまう。それは怖いことだなと思います」

 『強いAI・弱いAI』(丸善出版)で、著者の鳥海不二夫・東京大学大学院工学系研究科准教授との対談で羽生善治九段が語った言葉である。いずれも、到来しつつある「AI社会」の深奥を突いた指摘といえるだろう。羽生九段のこれらの発言を踏まえ、松原さんに聞いた。まずはすでに人間を超えた囲碁や将棋のコンピューターソフトは羽生さんが感じたように性格、さらには知性のようなものをすでに備えていると考えてよいのか、である〉

AIは「哲学的ゾンビ」なのか

 「強いAI」「弱いAI」は米国の哲学者、ジョン・サールが言い始めた言葉です。簡単に言えば、人間が考えているように考える人工知能が「強いAI」で、賢く見えるけれど、やっていることは実は単純な計算なんだぜ-という人工知能が「弱いAI」です。

 ぼくは、世界チャンピオンや名人に勝てるような囲碁や将棋のソフトというのは、もしかすると強いAIではないか、と考えています。人間の思考パターンとは確かに違いますが、ある複雑な状況で、もっともらしい答えを出すことが「考える」ということだとすれば、もうAIはAIなりに考えている、といえるのではないでしょうか。

 それを否定し、「単なる計算である」とみなすのならば、「人間のしていることだって計算の組み合わせであり、AIとの間に機能的な差があるだろうか」と反論したくなります。

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