PR

ライフ ライフ

【本郷和人の日本史ナナメ読み】天皇のお名前(下)「大塔宮護良親王」は何と読む?

 さてこの方、何というお名前か。戦前から戦後にかけて長く「だいとうのみや もりながしんのう」と読んできたのです。高野山や根来寺の根本大塔(多宝塔)は「だいとう」と読みます。また、江戸時代以来、朝廷では「良」を「なが」と訓じていた。だから、香淳皇后(昭和天皇の皇后)の諱は「良子」と書いて「ながこ」である。

 ところが大塔宮に「応答宮」という字をあてた資料が見つかった。となると、「おおとうのみや」がいいのだろう。また、皇族の系図では、護良親王の弟であり、後の後村上天皇となる義良親王に「ノリヨシ」とヨミがふってあるものがある。同じ漢字を使っていて兄と弟が読みが違うというのは不自然であるから、「もりなが」ではなく、「もりよし」なのだろう。ということで、学界では「おおとうのみや もりよししんのう」と発音しています。これは将来にわたって、覆らないと思います。

 ■歴史的評価分かれる後醍醐天皇

 1288~1339年。戦前の皇国史観においては、鎌倉幕府を倒したスーパー天皇としてあがめられていた。ただ冷静に分析すると、承久の乱での後鳥羽上皇に比べて、武士の動員のアイデアはきわめて貧弱。建武の新政では地方を軽視するなど、政治力も感心しない。南朝びいきということになっている『太平記』は「徳に欠ける」と厳しい評価を下している。鎌倉幕府は内部に問題を抱えて自壊した、と見るべきだと思う。

 次回は8月1日に掲載します。

【プロフィル】本郷和人(ほんごう・かずと) 東大史料編纂所教授。昭和35年、東京都生まれ。東大文学部卒。博士(文学)。専門は日本中世史。

『怪しい戦国史』
『怪しい戦国史』
その他の写真を見る(2/2枚)

 本連載が書籍になりました。『怪しい戦国史』(産経新聞出版)、880円+税、好評発売中です。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ