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ありのままの歴史「客観的に伝えたい」 「国基研 日本研究賞」奨励賞を受賞 簑原俊洋(みのはら・としひろ)さん(47)

第6回公益財団法人国家基本問題研究所 日本研究賞の奨励賞を受賞した簑原俊洋・神大教授
第6回公益財団法人国家基本問題研究所 日本研究賞の奨励賞を受賞した簑原俊洋・神大教授

 受賞理由となった『アメリカの排日運動と日米関係-「排日移民法」はなぜ成立したか-』(朝日新聞出版)は、博士論文をまとめた学術書『排日移民法と日米関係』(岩波書店)を一般の読者向けに易しく解説した書籍だ。日米の公文書や日記など膨大な1次資料を収集・調査し、歴史の新たな知見を拓(ひら)いている。

 根拠に乏しい仮説があふれる情報化時代に、19世紀のドイツが生んだ実証史の父、レオポルト・フォン・ランケにならい、“正しい歴史”ではなく、「客観的に『ありのままの歴史』を伝えたい」と意気込む。

 米カリフォルニア州出身で、大学を卒業後、銀行勤務を経て来日。明るく、開放的な人柄だ。教壇に立つ神戸大のゼミには日本、セルビア、ポルトガル、韓国、ウズベキスタン、レバノン、カナダ、台湾など世界各地から大学院生が集う。恩師の留学生に門戸を開く姿勢を継承し、拡大させた。

 行動する学者でもある。世界の国防相らが集うアジア安全保障会議(シャングリラ対話)など、名高い国際会議に出席。米国の覇権が揺らぎ、中国の脅威が台湾や尖閣諸島に迫る中、広く国民が安全保障を議論できる環境の整備を目指して今春、民間シンクタンク「インド太平洋問題研究所」(神戸市)も立ち上げた。

 本紙日曜日掲載のコラム『新聞に喝!』では執筆陣の一人として思想の左右を問わず遠慮のない注文をつける。「求められれば、率直に意見を言うのは学者の責務」と語る言葉に、全体主義と闘った思想家、河合栄治郎の系譜に連なる「戦闘的自由主義者」の気概がのぞく。(平田雄介)

 ■みのはら・としひろ 1971年生まれ。米カリフォルニア大デイビス校卒。神戸大大学院博士課程修了。博士(政治学)。同大学院法学研究科教授。専門は日米関係、国際政治。

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