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石本藤雄展 布と陶、わびさびの世界

陶芸作品「冬瓜」とテキスタイル「ケサスタ・ケサアン(夏から夏へ)」シリーズを組み合わせた展示
陶芸作品「冬瓜」とテキスタイル「ケサスタ・ケサアン(夏から夏へ)」シリーズを組み合わせた展示
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 北欧フィンランドを拠点にテキスタイルデザイナー・陶芸家として活躍する石本藤雄(78)の個展「マリメッコの花から陶の実へ」が、東京・南青山のスパイラルガーデンで開催中だ。

 石本は同国のテキスタイルブランド「マリメッコ」のデザイナーを32年にわたり務めた。また現在は、同国の老舗陶器メーカー「アラビア」の美術部門で陶芸制作に励んでいる。

 マリメッコ時代に手掛けた代表的なテキスタイルデザイン約40種と、絵皿やレリーフといった陶芸作品が並ぶ。布と陶による花と実が、会場を彩っている。

 石本の着想源はフィンランドの豊かな自然であり、故郷である愛媛県砥部(とべ)町の原風景という。そして無視できないのが、日本美術の影響だ。江戸初期の絵師、俵屋宗達の「蔦(つた)の細道図屏風(ほそみちずびょうぶ)」(重要文化財)を学生時代に見たときの感激について語りつつ、石本は自らの美意識やデザイン感覚において「琳派(りんぱ)につながりを感じる」と明かす。

 近年取り組んでいるのは陶の立体作品「冬瓜(とうがん)」のシリーズだ。5、6年前に日本の温泉宿で飾られていた冬瓜が強く印象に残り、作陶し始めたという。

 今回は冬瓜のシリーズと、草むらを表現したマリメッコ時代のテキスタイル「ケサスタ・ケサアン(夏から夏へ)」を組み合わせ、わびさびの空間を表現した。イメージしたのは江戸前期の絵師、久隅守景(くすみ・もりかげ)の最高傑作「納涼図屏風」(国宝)だ。

 納涼図はひょうたんのぶら下がる棚の下、夕涼みする農夫の家族を描いたものだが、こちらはひょうたんではなく冬瓜。コロンとした何ともいえないかたち、色や質感のバリエーションが楽しい。30日まで、入場無料。(黒沢綾子)

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