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【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(598)いまだ会わざる友

 今朝は、このあいだまで白い小さな花を咲かせていたブルーベリーの木に実がぎっしりとつき始めていることに気付いた。昨夏は、毎朝このブルーベリーの実を摘んで、ヨーグルトに入れて食べていた。

 3本もあるこの木は、私の家の先住者の置き土産。豊かに実るこの実は、彼女の遺志を受け継ぐ隣人の手でまわりに配られる。他に、庭にはバジルもパセリもミニトマトもあるので、夏のサラダは俄然(がぜん)、豊かになる。そんなことがいちいち無性に嬉(うれ)しかった。

 でも、1年もたてば、こういった感動は薄れて、ここの暮らしで味わういろんなことが日常になるのだろう、と思っていた。けれど、庭は日々姿を変え、常に初々しい新鮮な喜びを与えてくれる。

 食卓に頬杖(ほおづえ)をつき、庭を眺めていると、出会うことのなかったブルーベリーの主も、同じようにこの庭に癒やされて暮らしていたのだろうなあ、と懐かしい友のように感じられてくる。(ノンフィクション作家・久田恵)

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