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【せせらぎのそばで~鴨川ひと模様(上)】風吹くまま 鴨川時間

 ■14:30 四条大橋東詰

 日陰がなく人もまばらな河川敷とは対照的に多くの人が行き交う。周辺には古くから大衆向けの芸能を演じる小屋があった。歌舞伎発祥の地で、歌舞伎の創始者・出雲の阿国(おくに)像が立つ。その近くでは、自転車で全国を旅したJUNさん(36)が手作りアクセサリーやセネガルの民族楽器を販売する。

 メーカーを退職後、16年前から路上販売を始めた。「『こういう人がつける』とイメージして作ったものを、イメージ通りの人が買ってくれること」に喜びを感じる日々だ。

 ■15:30 四条大橋の橋脚の陰

 カモが気持ちよさそうに水浴び中。近くでは、男性が三島由紀夫の「金閣寺」を読みふけっていた。京都旅行中のその名も三島さん(30)。司法試験合格を目指す「司法浪人中」で、5月に行われた試験の手応えは「うーん、大丈夫だと思います」。鴨川での読書は、京都にきたら絶対にすると決めていたことの一つだった。

 ■16:30 四条大橋付近

 河川敷には、ほかにも夢を追いかける若者の姿が。

 「移動販売車を買うために手作りのサンドイッチを売ってます」。河川敷に座る人に声をかけていたのがりょうまさん(27)だ。板前として働く中で、全国で名品を取り扱う人に会ってみたいと思うように。「移動販売ならそれができるかも」と決意した。「『頑張って』といわれることが励みになる」と笑った。

 長らく鴨川の河川敷は、等間隔で座って語らう恋人たちのデートスポットだったが、最近では観光客の増加に伴って間隔が狭まり密集状態になることも。

 夕刻が近づくにつれ、頬をなでる風が徐々に涼しくなった。河川敷では、座ってまどろむ「鴨川タイム」を楽しむ人の姿も増え始めた。

●鴨川 京都市北部に位置する桟敷ケ岳(さじきがだけ)付近を源とし、桂川の合流点に至るまで京都市内を南下する約23キロの河川。814(弘仁5)年、歴史書「日本紀略」に登場するのが最も古い記録とされている。平安京の時代には都の東の境界だった。現代では河川敷に遊歩道なども整備されているほか、夏には多くの川床(ゆか)が並び、風物詩としてよく知られている。

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