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【万葉賛歌】時代の歌(1)「万葉王朝の始祖」高らかに

 「籠もよ~」に続く万葉集の2番目は、第34代舒明(じょめい)天皇の《大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あめ)の香具山(かぐやま) 登り立ち~》で始まる、いわゆる「国見(くにみ)の歌」である。舒明天皇は天智、天武両天皇の父で、持統(じとう)天皇には祖父にあたる。

 まさに、雄略から続く皇統の正統性を強調した歌の配列といえるだろう。万葉集は、天智、天武天皇が懸命につくりあげた日本の古代国家(律令国家)の完成を言祝(ことほ)ぐ歌集なのだ。

籠(こ)もよみ籠(こ)持ちふくしもよみぶくし持ちこの岡(をか)に菜(な)摘(つ)ます児(こ)家(いへ)告(の)らな名告(の)らさね

そらみつ大和(やまと)の国はおしなべて我(われ)こそ居(を)れしきなべて我こそいませ我こそば告らめ家をも名をも (巻1-1)

【口語訳】

かごも、よいかごを持ち、へらも、よいへらを持って、この岡で若菜を摘んでおられるおとめよ、家をお告げなさいな、名を名のりなさいな。(そらみつ)大和の国は、ことごとく私が治めているのだ、すべて私が支配しておられるのだ。私こそ告げよう、家も名前も。

(岩波文庫版「万葉集」から)

 新元号の出典となった「万葉集」。ゆかりの地を訪ね、最古の歌集が編まれた時代背景と、わが祖先が国づくりにかけた苦闘のあとを探ります。(客員論説委員 渡部裕明)

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