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街中に治療院を 全盲の学生がクラウドファンディングに挑戦

マッサージ治療院開設に向け、クラウドファンディングへの支援を呼びかける沢田和也さん=茨城県つくば市春日(篠崎理撮影)
マッサージ治療院開設に向け、クラウドファンディングへの支援を呼びかける沢田和也さん=茨城県つくば市春日(篠崎理撮影)

 国内唯一の視覚・聴覚障害者のための国立大学、筑波技術大(茨城県つくば市)に通う全盲の学生が、外出困難者向けのマッサージ治療院開設に向け、インターネットを通じた「クラウドファンディング」で資金の募集を始めた。実習のマッサージ施術を通じて外出困難者の実態に触れ、自らの技術を生かして「サポートする側」に立とうと思い立った。

 「障害のあるなしにかかわらず、外出困難者が気軽に利用したり働いたりできる場を作りたい」

 こう語る筑波技術大保健科学部4年の沢田和也さん(22)は生まれながらの全盲で、出身地の石川県で約3年間マッサージ師として働いた後、昨年4月に大学へ編入した。

 マッサージ治療院開設を考えたきっかけは大学で実習として行っているマッサージだった。

 「体が軽くなった」

 「あなたとの会話が楽しく、身も心もほぐれた」

 利用者の喜びの声が何よりうれしかった。マッサージを受けて大学の学食で食事することを生きがいにしている90代の女性もいた。

 さらに、つくば市中心部から離れた農村部では過疎化が進み、外出が困難な高齢者が多い実態も見えてきた。

 「もっと気軽にマッサージを受けることができる場所があれば、買い物や食事のついでに利用できる」

 沢田さんが思いついたのは、つくば市内各所からアクセスが良い中心市街地への治療院開設だった。

 クラウドファンディングの期間は28日までで、120万円を集めることが目標だ。治療院の名前は「イキイキまちなか治療院」にする予定で、利用者宅からの送迎も計画している。8月下旬から来年2月までの期間限定で開設する構想だが、運営が順調に進んだ場合はその後も継続することを考えている。

 「障害者はサポートされる側というイメージがあり、自分もたくさんの人の力を借りている。だが、利用者にとって私たちは『障害者』でなく『プロ』のマッサージ師。サポートする側にもなれる。みんなで支え合う社会を作りたい」

 手垢のついた感のある「支え合う社会」というフレーズが、血の通ったものに聞こえる。

(篠崎理)

■ ■ ■

 クラウドファンディングの支援を希望する場合はhttps://readyfor.jp/projects/sawadachiryouinから。

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