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【夜間中学はいま】(10)いじめで引きこもり ここからやり直せる

 親がいつまでも生きているわけではないのに、どうするつもりなのか-。こうした問いがしばしば引きこもりの当事者に投げられるが、「当人からするとそういうことを考える、考えないではなく、考えが及ばない。抜けているという感じです」と当時を振り返る。「現実がつらいから、現実を見られない。引きこもりは現実からの避難でした」

 大野さんが再び社会と接点を持つようになったのは24歳頃だった。

 ■病気が転機に

 ある日、耐えられないほどの息苦しさに襲われ、救急搬送された。甲状腺の機能が低下する病気で、定期的な通院が必要となった。結果的に、それが引きこもりから抜け出すきっかけになった。

 ほとんど動かない生活だったので筋力が落ち、少し歩くだけで足が痛む。我慢して近所を散歩し、徐々にならしていった。闘病中に友人もできた。「一緒にお茶をしたり、買い物に行ったりして、生きるって、こんなに楽しいんだと思いました」。止まっていた人生の時計が動き出した。

 「色鮮やかな外の世界」を満喫する中で、大野さんはこれまでほとんど学んでいないことを思い知らされる。買い物に行っても計算ができず、書類にも簡単な漢字が書けない。誰にも言えないまま、長い歳月が過ぎた。思い切って友人に悩みを打ち明けると、夜間中学への入学を勧められた。

 平成29年4月、夜間中学生となった。

 ■弱み話せる仲間

 「お年寄りが通う学校というイメージがありましたが、全然違っていて驚きました」。入学したときの東大阪市立長栄中学校夜間学級(再編整備で今春閉鎖)にはベトナムやネパールなどの生徒が多く、現在通う意岐部夜間中学は中国残留孤児の関係者が多い。多国籍の生徒がいる特色は授業などにも生かされ、「それぞれの国の文化や風習や言葉を教えてもらうのは楽しい」と笑顔で話す。

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