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【夜間中学はいま】(10)いじめで引きこもり ここからやり直せる

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「夜間中学に来ることができて、本当によかった」と話す大野典子さん=大阪府東大阪市(安元雄太撮影)
「夜間中学に来ることができて、本当によかった」と話す大野典子さん=大阪府東大阪市(安元雄太撮影)

 小学校入学と同時にいじめが始まった。次第にエスカレートし、ついに中学1年の夏、学校に行けなくなる。それから10年余り、自宅から一歩も出なかった。再び社会と関わるようになると、簡単な計算ができず、漢字も書けない事態に困り果てた。「夜間中学に行ってみては?」。友人がそう勧めてくれた。

 ■現実からの避難

 引きこもりから脱し、大阪府東大阪市立意岐部中学校夜間学級に通う大野典子さん(45)。3年目に入った夜間中学生活を「同級生と触れ合うことで少しずつ自分を出せるようになりました」と語る。

 アクションゲーム「マリオブラザーズ」に夢中になったファミコン世代。おとなしくて引っ込み思案の子供だった。小学校でいじめの標的にされた。「ばい菌扱いされて『近づくな』と言われたり、ランドセルを廊下に蹴り出されたり、上靴を隠されたり…」

 中学校では他の小学校出身の生徒たちもいじめに加わった。小学生の頃から休みがちではあったが、保健室登校、遅刻、早退を繰り返すようになった。中学入学から2、3カ月でとうとう通えなくなった。

 「学校に行かないといけないという気持ちはありましたが、行けばいじめられるので行けない」。終わりのない葛藤。「ずっと罪悪感がありました。それが一番苦しかった」。家からも出なかった。「どこで同級生と会うかわからない。怖くて出られませんでした」

 テレビを見たり、ラジオを聞いたり、本を読んだりの日々で、話をするのは家族だけ。着替えもせず、風呂にも入らず、髪も伸ばしっぱなしだった。「外に出ないので気にしませんでした」

 引きこもりは学齢期を過ぎても続き、10年以上に及んだ。「なぜなのか、今も自分でもわかりません。あの頃は時間の感覚がなかった。昼も夜もない、一日が長いも短いもない。というか、関係なかった」

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