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東南アジアにプラごみ殺到 先進国に“送り返す”

 【シンガポール=森浩】東南アジアで先進国から運ばれたプラスチックごみを強制的に送り返す動きが相次いでいる。これまで最大の受け入れ国だった中国が規制強化にかじを切った結果、日本を含む世界から廃棄物が東南アジアに押し寄せたからだ。国際的な規制が設けられることも決まるなど、ごみの行方に世界の注目が集まっている。

 マレーシア政府は5月28日、日本や米国、カナダ、オーストラリアなどからプラスチックごみが不法に輸入されたとして、コンテナ60個分に当たる計3千トンを送り返すと発表した。

 大半の輸入業者が許可を取得しておらず、ごみは汚れすぎておりリサイクルに適さない状況だという。ヨー・ビーイン環境相は「これらのコンテナは、虚偽の申告のもとに違法に国内に持ち込まれた。マレーシアは世界のごみ捨て場にはならない」と強調し、輸入業者への取り締まりを強化する方針を示した。

 フィリピン政府は5月31日、カナダから輸入されたゴミのコンテナ69個を送り返した。英BBC放送によると、「リサイクル可能だ」と偽られて輸入されたという。ドゥテルテ大統領は「引き取らないならカナダと戦争だ」と宣言したほか、駐カナダ大使を帰国させるなどごみが引き金となり外交問題に発展した。

 中国が2018年1月に環境保全などの観点から輸入を原則禁止としたことで、世界のプラスチックごみの流れは一変した。日本の財務省貿易統計によると、16年1月に日本が輸出したプラスチックごみ約7・4万トンのうち、半数が中国、半数がそのほかの国だった。ところが、18年以降は中国の割合が急減した。

 新たな輸出先として注目されたのが東南アジア諸国だ。ロイター通信によると、マレーシアの18年1~7月の主要国からの輸入量は45・6万トンとなり、約半年間で17年(約32・6万トン)を上回った。「先進国はコスト面から、他国に輸出する流れが定着している」と話すのは、東京農工大学の高田秀重教授(環境化学)だ。

 こうした流れの中で、廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約が5月に改正され、21年1月からリサイクルに適さない汚れたプラスチックごみが同条約の規制対象となることが決まった。高田教授は「一定の進歩だが、監視する枠組みができなければ効果は限定的なものになる可能性がある」と話している。

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