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ジョゼフ・コーネル展 小さな箱に大きな宇宙

整然と作品が並び静けさに包まれた「ジョゼフ・コーネル」展の会場風景(村松桂撮影)
整然と作品が並び静けさに包まれた「ジョゼフ・コーネル」展の会場風景(村松桂撮影)

 “箱のアーティスト”として知られているアメリカの美術家、ジョゼフ・コーネル(1903~72年)の回顧展が、千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館で開かれている。

 コーネルの箱は、お気に入りの品々など寄せ集めて制作した、いわゆるアッサンブラージュとよばれるもの。古書から切り抜いた星座の切り抜き、有名絵画の写真、アンチョビの缶詰、蝶の羽など、コーネルは世の中にあるさまざまな物を使用した。展示作品の「無題(ピアノ)」は、箱の中に数種類の楽譜が貼られている。箱内部にはオルゴールが仕込まれ、箱の裏にあるネジを巻くと、モーツァルトの音楽が流れる仕掛けに。音楽好きだったコーネル。親交のあったバレリーナが優雅に躍る写真をコラージュ作品にしたように、作品にはしばしば趣味が反映されている。

 旅をイメージさせる作品も制作。HOTELという文字や鳥の姿なども現れる。実際には、老いた母と病気の弟の世話をしていたため、ニューヨークをほとんど離れることはなかったという。自由に飛び回る鳥に思いを込めて箱の中で旅を夢想したのだろう。

 軽く持ち運べるほどの小さな箱を数多く制作したが、その中にはどこまでも広がる大きな宇宙があった。

 オランダ人を両親にニューヨーク州で生まれたコーネル。美術大学で学ぶことはなく独学だった。晩年はマンハッタンによく出かけていたが、ほとんど外出することなく、家族が寝静まった深夜に地下のアトリエにこもり創作に没頭した。

 映像作品も手がけていた。既存の映画フィルムの断片などを組み合わせた重層的なイメージは、立体作品などと相通じる。これまで日本では上映の機会は少なかったが、本展では専用のブースを設けて上映。日記やノート、芸術家たちと交わした手紙など資料も充実。コラージュや箱、映像など幅広い活動の軌跡を見ることができる。(渋沢和彦)

 16日まで、月曜休、一般1300円。問い合わせはハローダイヤル(050・5541・8600)。

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