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【絶滅危惧種を守れ(4)完】発見から60年弱で絶滅…コシガヤホシクサの野生復帰を目指して

 3つ目の仮説は遺伝的劣化だ。コシガヤホシクサは、花粉が同じ花のめしべに付く「自家受粉」が起こりやすい。自家受粉によって誕生した個体は生き残る力が弱い可能性がある。

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 いったんは姿を消した植物を野生に戻すためには、地元の関係者の理解や協力も欠かせない。

 コシガヤホシクサは、発芽して成長する春から夏にかけては水中でも生きることができるが、開花時期には水位が低い状態でなければ、花を咲かせて種子をつくることができない。こののため、池を管理、利用する2団体の協力を得て水環境を整えてもらっている。

 田中氏は「保全には協力してもらうことが不可欠。いろいろな人の支えで続けている」と語る。筑波実験植物園は年に3回、一般の人にコシガヤホシクサについて理解してもらうための講座を開き、野生復帰の意義を広く周知することに努めている。

 下妻市だけでなく、最初の発見の地である越谷市でも施設での試験栽培が始まり、昨年、自生地だった場所で試みた栽培で初めて開花に至った。

 野生絶滅した日本の植物が往年の自生地で完全に野生復帰したケースはこれまでないという。未踏の取り組みの奏功に向け、関係者の試行錯誤は続く。

(海老原由紀)

=おわり

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