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【絶滅危惧種を守れ(4)完】発見から60年弱で絶滅…コシガヤホシクサの野生復帰を目指して

コシガヤホシクサの自生地だった農業用ため池での試験栽培の様子=茨城県下妻市(田中法生氏提供)
コシガヤホシクサの自生地だった農業用ため池での試験栽培の様子=茨城県下妻市(田中法生氏提供)
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 発見から60年弱で野生絶滅するという数奇な運命をたどった植物がある。その水生植物がかつての自生地である茨城県下妻市で星型の小さな花を再び咲かせたのは、平成21年秋のことだった。

 昭和13年に現在の埼玉県越谷市で見つかりコシガヤホシクサと命名された後、ほどなくして見られなくなった。50年に下妻市で再発見されたものの、環境の変化に伴い平成7年には自然の中から姿を消した。

 野生に戻る可能性が生まれたのは、下妻市の保護活動家が種子を保存して育てていたからだ。

 国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市)での栽培、増殖の取り組みを経て、国立科学博物館の田中法生研究主幹らが20年冬、下妻市の農業用ため池で種子をまいた。翌年に開花した後も、ため池での試験栽培が行われている。

■ ■ ■

 研究が進む中で、ハエの仲間が花粉を運ぶことや生育に適した水深なども分かってきた。

 一方で新たな課題も浮上した。一時は自生に近い状況にまで至ったものの、23年をピークに個体が増えなくなったのだ。原因ははっきりしておらず、田中氏は3つの仮説を立てて調査を進めている。

 まずは土質の変化だ。池の各所から採取した土を使って同じ条件下で栽培してみたところ、深い部分の土のほうが生育状態が良かった。田中氏は、これまで栽培していた場所の土質が何らかの要因で変わった可能性を指摘する。

 池にいるアメリカザリガニなどに食べられているという推論も成り立つ。実際、栽培箇所を網で覆うと生育する様子が確認でき、覆わない場合は育たなかったという。

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