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iPS心筋移植、慶大が学内審査を申請

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心筋細胞を作製し、重い心不全の患者に移植する臨床研究計画について、慶応大の福田恵一教授らの研究チームが27日付で同大の委員会に審査を申請した。審査は7月に始まる見通しで、計画が認められた後、厚生労働省からも承認されれば年内にも移植手術を実施する。

 対象は心臓の筋肉が薄くなって収縮力が落ち、不整脈や呼吸困難など心不全の症状が起きる原因不明の難病「特発性拡張型心筋症」。国内患者数は約2万8000人で年々増加している。幅広い年齢層に発症し、男性に多い。計画では20~80歳の患者3人に実施する。

 京都大が備蓄しているiPS細胞から心筋細胞を作製。特殊な注射針で心臓の脂肪層の下の筋肉組織に移植する。注射は十数カ所に行い、移植する心筋細胞の総数は約5000万個。手術後、約1年にわたり安全性と有効性を確認する。

 心筋細胞は、1000個程度をひとかたまりの球状に加工して移植する。血流が生まれやすく、心臓の一部として正常に成長し心機能を改善しやすいという。

 iPS細胞から作製した細胞は、未分化の細胞が混ざるとがん化する懸念がつきまとう。チームは未分化細胞が混入しない高純度な心筋細胞の作製法を開発。動物実験で、心臓移植後もがん化しないと確認した。

 福田教授は「きちんと安全性を確認した上で臨床研究から治験に進み、令和4(2023)年ごろに再生医療製品としての承認を獲得したい」と話している。

 iPS細胞を使う臨床研究は、シート状にした心筋細胞を心不全患者に移植する大阪大の計画が昨年5月に厚労省から承認され、今夏の実施を目指している。このほか、同大の角膜移植や京大の血小板輸血も同省が計画を承認している。

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