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【THE INTERVIEW】漫画家・ヤマザキマリさん 「パスタぎらい」 食への渇望を「比較文化論」に

「食べ物を漫画で擬人化したら面白いんじゃないかな」(川口良介撮影)
「食べ物を漫画で擬人化したら面白いんじゃないかな」(川口良介撮影)
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 □「パスタぎらい」(新潮新書・740円+税)

 ■海外生活で得た創造の原点

 在イタリア歴は35年。にもかかわらず、“国民食”のパスタに興味がなく、コーヒーも苦手-。こう告白するのは、漫画家のヤマザキマリさんだ。長い海外生活で、特に渇望したのが風呂と食事だという。風呂への思いは古代ローマが舞台の代表作『テルマエ・ロマエ』で結実した。もう一つの食事について、初めて文章でまとめたのが本書だ。「私にとって、食への渇望も創造の原点でした」。ヤマザキさんはこう振り返る。

 絵画を学ぶため、ヤマザキさんが単身イタリアへ渡ったのは17歳の時。絵に描いたような貧乏留学生活でよく食べたのは、ニンニクと鷹の爪、オリーブオイルを使った塩味のパスタ。「イタリアでは素うどんのようなもの」だという。

 ところが、平成7年に一時帰国すると、そのパスタが飲食店では高値で提供されていた。「『何か間違った情報が伝わっている…』と衝撃でしたが、よく考えると寿司(すし)など日本料理も海外でだいぶ変容している。食文化を比べることは面白いと感じたし、ある意味このエッセーも比較文化論です」

 「魔性(ましょう)の味覚」ポルチーニ茸、世界一おいしいと思う日本のパン…。本書では、世界各地に滞在したヤマザキさんが印象に残る料理の数々を紹介。日本人が想像する以上に食に保守的なイタリア人、語学は苦手だが「味覚適応力」は世界随一の日本人など、食を通じて世界の人々の“素顔”を活写する。イタリア人の夫がラーメンの話をすると「恋する乙女のような澄んだ瞳」になるなど、クスッとさせられる話も多い。

 「私はスナック菓子もコンビニのおにぎりも大好き。グルメの話よりもむしろ、すごく身近ですべての行動の原点にあるのに、ある意味でないがしろにされている食べることへの『渇望』に興味があるんです」

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