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【産経の本】『明治を食いつくした男 大倉喜八郎』岡田和裕著 渋沢の度肝抜いた信念の実業家

岡田和裕著『明治を食いつくした男 大倉喜八郎』(産経新聞出版)
岡田和裕著『明治を食いつくした男 大倉喜八郎』(産経新聞出版)

 新一万円札の顔となる日本資本主義の父、渋沢栄一が終生、深い交友を結んだ実業家がいる。大倉喜八郎。江戸後期、でっち奉公から身を起こし、90年の生涯で興した会社は200以上。うち令和まで続く企業は大成建設、帝国ホテル、帝国劇場、サッポロビールなど30余社に及び、長男が建てたホテルオークラにその名を刻む。

 渋沢は喜八郎を「押しが強く機を見るに敏…ソロバンが合うと見たら遮二無二押し切って奮闘する」と評した。その渋沢の度肝を抜いたのが、中国への投資だった。当時の中国は国情不安定で、その投資は「底のない甕(かめ)」にたとえられた。三井はじめ既存財閥が及び腰となる中、「中国と日本が共存共栄してこそアジアの平和と繁栄がある」。この信念で今日に換算して数百億円を投じ、「金は使ってこそ金、損をしてもオレの金」と動じなかった。

 著者は、近現代史が専門の作家。「喜八郎を書くことは、日本の近代化の歩みを書くことでもある」とつづる。「人捨てるとき我(われ)これを拾う(誰も引き受けないところに商機はある)」。渋沢とともに近代日本を築いた「信念の男」の知られざる生涯は、令和の時代を生き抜くヒントに満ちている。(産経新聞出版・1500円+税)

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