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認知症対策に初の数値目標 急速な高齢化、社会保障費増大に危機感

 国の認知症政策を示す大綱の素案が16日、公表された。柱に「予防」と「共生」を据え、「70代での発症を10年間で1歳遅らせる」などと患者数の抑制に向けた具体的な数値目標を初めて示した。背景には、国内で急速に進む高齢化と、それに伴う医療費、社会保障費の増大への強い危機感がある。

 総務省の人口推計では昨年3月、75歳以上の後期高齢者が約1770万人となり、初めて65~74歳(約1764万人)の人口を上回った。令和7(2025)年には、団塊世代の全員が後期高齢者となり、高齢化はさらに進む。

 同時に懸念されるのが医療費、社会保障費の膨張だ。75歳を過ぎると、心身の衰えが進み、寝たきりや認知症を発症する人は多い。厚生労働省によれば、1人当たりの年間医療費(平成28年度)は、65歳未満が平均約18万4千円だったのに対し、75歳以上は同約91万円にも上る。

 現行の認知症対策の国家戦略では、市民サポーターの養成など、認知症の人の生活支援に重点が置かれた。新たな大綱では、高齢者の健康の維持を図ることで認知症になる年齢を遅らせ、社会保障費の抑制につなげたい本音がにじむ。数値目標を定めたのも、実効性を高める狙いがある。

 ただ、認知症の予防法や治療法はまだ確立されてはいない。認知症を発症してからも、いかにその人らしく生きられる社会を実現できるか。政府は行政や専門機関、地域社会との連携を図り、推進力につなげていきたい意向だ。

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