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【ビブリオエッセー】「モモ」に出会えた幸せ 「金曜日の本屋さん」名取佐和子(ハルキ文庫)

 自分にいま一番必要な、読みたい本が見つかる本屋さんがあるらしい。駅ナカにある小さな本屋さんのお話。そこの女店長を取り巻く人間模様も面白いのですが本の紹介が何冊も出てきて、著者がかつて読んだ本のことを書きたくて小説を書いたのか、自分の周りのユニークな人間関係を描きたかったのか、と思いながら読みました。

 著者が選んだ本が物語の中心となる小説です。(1)庄司薫『白鳥の歌なんか聞えない』(2)レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』(3)ミヒャエル・エンデ『モモ』(4)梨木香歩『家守綺譚(いえもりきたん)』…。庄司さんは私の青春時代に流行(はや)りましたね。『長いお別れ』は兄が高校の演劇部で演じたので題名は頭に焼きついていますが読んだかどうかは記憶にありません。『モモ』?これは児童文学らしいのですが小説の中で紹介された物語を読むと、ぜひ読んでみたいという気持ちになりました。

 子供に読み聞かせた本が、子供が成人となったいまは自分の宝物になっているという児童文学とはどのようなものなのか。実家で本好きの兄と話をしていて、『モモ』をネットで発注したと言ったら、一緒に来ていた娘が「それ、家にあるよ」。家に帰ってその話をしていたら遊びに来ていた孫が「学校の図書館にあるよ」。どうやら有名な『モモ』を知らないのは私だけのようでした。読み始めると確かにこれは大人にこそ読み聞かせたい教訓の本です。

 『金曜日の本屋さん』は私がいま一番必要としている本を教えてくれました。

 堺市北区 住川章雄(66)

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールは biblio@sankei.co.jp 。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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