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真剣勝負彩る「美しすぎる将棋駒」 人気駒師がパリで初個展

平成27年の王位戦で使用された児玉さんの将棋駒。パリの個展で展示予定だ(児玉龍兒さん提供)
平成27年の王位戦で使用された児玉さんの将棋駒。パリの個展で展示予定だ(児玉龍兒さん提供)
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 将棋人気が続く中、棋士の真剣勝負を彩る駒にも注目が集まっている。作り手(駒師)の個性に加えて木地の素材や書体などの組み合わせは多様で奥が深く、美術品として手元に置く収集家も多い。日本の伝統工芸を世界に発信しようと、その作品が「美しすぎる駒」ともいわれる人気駒師が17日から初の海外個展を仏・パリで開催する。(木ノ下めぐみ)

 個展を開くのは山形市に工房を構える駒師、児玉龍兒(りゅうじ)さん(59)。最も歴史があるタイトル戦「名人戦」で使われる日本将棋連盟所有の「名人駒」のうち、西日本での対局の際に使用されるのは児玉さんの手によるものだ。

 国内で定期的に個展が開かれるほど根強いファンが多く、4月に名古屋市であった個展でも愛好家らが児玉さんの駒に見入った。トラのしま模様や羽を開いたクジャクを思わせる模様が広がる五角形の駒に、漆で盛り上げた「玉将」や「飛車」などの華やかな文字が踊る。漆を幾重にも薄く塗って駒全体に光沢をつける「拭き漆」や、角に丸みをつける「面取り」を強調するなど、従来の制作過程になかった手法を確立したことも駒の芸術性を高めた。

パリで将棋駒の個展を開催する駒師の児玉龍兒さん=4月、名古屋市
パリで将棋駒の個展を開催する駒師の児玉龍兒さん=4月、名古屋市
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 「使う側にとっても心地良い駒。書体に躍動感があり、長時間の対局でも見やすく疲れない。ドラマティックなタイトル戦を彩る重要な存在です」。「王位」のタイトル獲得経験があり、児玉さんの駒を使ったことがある実力者の深浦康市九段(47)はそう話す。

 地方で行われるタイトル戦では地元の愛好家が所有する駒が複数提供され、その中から対局者が使う駒を選ぶことも多く、深浦さんによると近年は児玉さんの駒をよく見かけるという。16日朝から福岡県飯塚市で始まった名人戦第4局でも地元の愛好家から提供された児玉さんの駒が使われている。今回の海外個展について深浦さんは「文化への理解が深いパリで、個展を通して将棋に興味を持つ人が増えてほしい。意義深い試みだ」と期待を寄せる。

 夭折した天才棋士の生涯を描いたベストセラー『聖(さとし)の青春』などで知られる作家で駒の収集家でもある大崎善生さんも「当代随一の駒師。使うのがもったいなくなるほどに美しすぎる駒です」と惚れ込んでいる。

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