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【自作再訪】加藤秀俊さん「独学のすすめ」 学ぶ心なければ人生は面白くない

 ◆重要な知識欲

 《『独学のすすめ』は49年に「ミセス」に連載され、翌年に文芸春秋から単行本化。文春文庫、ちくま文庫と装いを変えながら版を重ねている。「学校に入らなければ学問はできない、などという思想は、ついこのあいだ出来たばかりの新興思想にすぎないのであって、人間の知識の歴史のうえでは、『独学』こそが唯一の学問の方法であったのではないか」と説き、教育の核となる知識欲を育む重要性を訴える》

 今でも学生さんによく読まれているようで、時々手紙をもらうことがあります。それは、大学を含む現在の学校に満ち足りないんでしょうね。一方的な詰め込み教育は嫌だし、昔のように先生との1対1の親しい関係があるわけでもない。どうしたらいいのだろうというときに、自分の学習意欲さえあればどうにかなることをこの本で教えてもらった、と。

 刊行から40年以上たちますが、この本で書いた学校や教育についての考えは全く変わっていませんね。むしろ、状況は当時よりますます悪くなっている。大学は就職のための通過機関となってしまって、学生は学問や勉強をしたいのではなく、早く卒業して就職したい。本当は行きたくもないのに、親や周囲が行けと言うから行っている。今の教育はずいぶん親切になって、いささか手取り足取りすぎるようにも思いますが、肝心の学生の学習意欲自体は下がっているのではないでしょうか。

 ◆個人の「やる気」

 《インターネットが普及して調べ物が飛躍的に便利になった現在こそ、「独学の時代」であるとする。ただ、どんなに学習環境が進歩しても基礎となるのは個人の「やる気」だという》

 独学という言葉の「独」に注目してほしいですね。結局これは個人個人の問題で、勉強の主体は常に一人なんです。だから、みんなで独学しようというのはあり得ない。学ぶ心はあくまで個人のもので、集団のものではない。学校とは、学ぶための補助機関にすぎないのです。

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