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【自作再訪】加藤秀俊さん「独学のすすめ」 学ぶ心なければ人生は面白くない

「社会学入門ではなく、学問入門の本として書きました」と話す加藤秀俊さん=東京都世田谷区(酒巻俊介撮影)
「社会学入門ではなく、学問入門の本として書きました」と話す加藤秀俊さん=東京都世田谷区(酒巻俊介撮影)
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 ■勉強の主体は常に一人 学校は補助機関にすぎない

 学校に通うことと学ぶことは、イコールではない。学問は何歳からでも可能だ-。社会学者、加藤秀俊さん(89)が昭和50年に刊行した教育論『独学のすすめ』(ちくま文庫)は、歴史の中の教育のあり方を平易な言葉でたどりつつ、現在の制度化された学校教育の中で見失われがちな自発的な学びの価値を説く。刊行後44年を経てなお、学生や若い社会人を中心に読み継がれるロングセラーだ。(聞き手 磨井慎吾

 この本を書いた直接のきっかけは単純で、文化出版局の婦人雑誌「ミセス」にエッセーの連載を頼まれたからです。学園紛争が激化した昭和45年に京大の助教授を辞めたので、書かなければ収入がなかったからね。ただ、そこには背景事情がある。

 執筆した1970年代当時は、婦人雑誌の大きな転換点にあたる時期でした。戦前からある「主婦の友」や「婦人倶楽部」が、育児やお裁縫、料理が中心の家庭実用雑誌だったのに対し、(昭和36年創刊の)「ミセス」はそうした家政学から離れ、趣味やファッションなどの文化的、教養的なものを重視して大当たりした。戦後生まれ、団塊の世代の女性が主婦になった時代です。まだ四年制大学への進学率は低く、読者の学歴としては専門学校や短大卒が多かった。ちょうどカルチャーセンターが増えだしたころです。もう少しものが知りたいけど、大学に通い直すわけにはいかないし、大学の方でも受け入れるわけがない。家庭の主婦となったものの、そうした欲求を抱く読者にこたえる読み物として書いたつもりでした。

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