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高齢化に病院の老朽化… 地域医療の維持に黄信号 第三者譲渡が増加

 上田さんによると、譲渡の課題は医師や看護師らに残ってもらうこと。代替わりを機に、これまでのスタッフが去るリスクがあり、新しい経営者には経営理念を丁寧に説明してもらっているという。

 診療所のM&Aを支援している東京の税理士、鈴木克己さんは「経営者自身が『自分と同じ苦労を身内にさせられない』と、第三者の買い手を探すケースもある」と話す。医師への融資審査も厳しくなり、買い手側も一から開業するよりリスクが小さい。

 診療所をうまく継承するために、鈴木さんは売り手と買い手の医師が半年から1年ぐらいの間、共に診察に当たることを勧める。経営者の考え方や診療所の地域での役割が受け継がれ、患者も新体制に早く慣れるという。

 ◆手引書作成を検討

 鈴木さんは「医療機関は“社会的公器”だ。売り手には、譲渡後に周辺の医師や患者から『なぜあんなところに売ったのか』と言われたくないとの気持ちが強い」という。「地域医療を守る観点から、医師会が仲介の労をとってもいいのではないか」と提案した。

 堤さんらは「きちんとした統計がなく、若い医師の意識も把握されていない。早急に調べるべきだ」と指摘。日本医師会の小玉弘之常任理事は「継承が滞れば医療圏の衰退、崩壊につながりかねない。医師の偏在が強い地方ほど深刻で、学校医の確保や予防接種などにも影響が出かねない」と憂慮する。

 日医総研では、医業継承の段取りや注意点、事例をまとめた手引書の作成を検討中だ。

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