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【8050の実像-中高年ひきこもり61万人】(中)救えなかった孤立した親子

 高齢親子の年齢になぞらえて「8050(はちまるごーまる)問題」として社会問題化する中高年のひきこもり。中高年世代を対象に内閣府が実施した平成30(2018)年度の「生活状況に関する調査」によると、ひきこもるきっかけは「退職」や「職場になじめなかった」、「就職活動がうまくいかなかった」など、就労に関するものが多くを占めた。

サポートに地域差

 「よかった、今日はパンがまだあるね」

 「このサンドイッチもおいしいですよ」

 大阪府豊中市宝山町の日用品店「びーの×マルシェ」で客に対応する40代の女性店員は昨年5月までの7年間ひきこもりを続けていた。この店は同市社会福祉協議会などが運営に協力。ひきこもりからの自立を目指す人の就労体験の場として平成29年6月に開店した。

 これまでも同協議会は、家族らの相談を受けて当事者を戸別訪問し、地域の清掃や軽作業などへの参加を提案。2時間で500円の活動費を支給し社会参加を促す取り組みには、現在100人以上が登録し、その後の就労体験などを経てこれまで約40人が就職した。

 27年4月に政府が始めた「生活困窮者自立支援制度」は、ひきこもり当事者も支援対象に含まれる。自治体に相談窓口ができ、支援事業に補助金もあてられた。だが、同協議会の勝部麗子さんは「専門スタッフの態勢や就職先に地域差があり、課題も多い」と語る。

 親が子育てに責任を感じてひきこもる子の存在を隠し、自身の介護が必要な年齢になって初めて相談に来るケースも多く、中高年のひきこもりの実態は見えにくい。勝部さんは指摘する。「孤立に気付いた周りの人たちが『そっとしておくのが親切だ』と思わず、当事者家族に声をかけたり、自治体の窓口に相談したりしてくれれば、支援につなげる糸口になる」

     ◇

 「中高年のひきこもり」に関する体験談やご意見、ご感想を募集します。住所、氏名、年齢、性別、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要) 産経新聞 大阪社会部「8050問題取材班」、メールは iken@sankei.co.jp までお送りください。

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