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【世界遺産】地元喜び「ついにこの日が」「これからが始まり」

古市古墳群。手前は応神天皇陵古墳=大阪府羽曳野市
古市古墳群。手前は応神天皇陵古墳=大阪府羽曳野市

 ユネスコの諮問機関イコモスが百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を勧告したことを受け、地元の堺、藤井寺、羽曳野各市の市民らは「ついにこの日が来た」と喜びにわいた。一方、世界遺産登録機運醸成の活動を続けてきた関係者らは喜びにひたるのもそこそこに「これからが始まり」と気を引き締めた。

 「幼い頃から当たり前のように身近にあった古墳が世界遺産になるのは不思議な気分ですが、誇らしくもある。地元住民としてもっと勉強したい」と話すのは、堺市堺区の仁徳天皇陵の近くに住む主婦、樫本由貴さん(46)。同市東区の無職、大門英範さん(66)も「ついにこの日がきたかと素直にうれしい」と喜ぶ。一方で、「ゴミの問題をはじめ観光客のマナーが心配」と不安ものぞかせる。

 古墳をはじめ堺各地の名所などの案内に取り組む「NPO法人堺観光ボランティア協会」の理事長、川上浩さん(72)は「ようやく寝不足から解放される」。活動を始めた10年前は大型連休中でも観光客は少なかったが、今年は急増。今月3日には仁徳天皇陵前で400人以上にガイドをしたという。「今後はより興味をもってもらえるよう、ストーリー性のあるガイドをしていきたい」

 仁徳天皇陵近くの飲食店「花茶碗」で、古墳をかたどった「古墳カレー」を10年前から提供してきた中屋麗子さん(72)は「ここまで長かった」。常連客の80代男性が先月、朗報を待たずに亡くなったのが何より残念だという。「お祝い酒まで用意してくれていたのに…。今夜はそのお酒でお客さんと祝杯をあげ、おじいさんに報告したい」

 古墳をかわいらしくデザインした便箋やはがき、はんこなど古墳グッズを販売する堺市堺区の「紙カフェ」代表の松永友美さん(47)は「もっと手放しで喜びたいのですが、交通網がまだ不完全で、土産物店も少ないのが現状。急ピッチで整備を進めないと。これがゴールではなく、始まり。行政がやらないような独自のアプローチを続けたい」と決意を語った。

 古市古墳群を巡るツアーや講演会を開いている大阪府羽曳野市の団体「羽曳野まち歩きガイドの会」代表の細見克(かつ)さん(78)は「世界文化遺産になることは、地球に住む人々の『共通の遺産』になること。未来に伝えていくため、行政は地元住民や子供たちがもっと誇りを持てるような教育や施策を行うことが大切だ」と力を込めた。

 同府藤井寺市の「市観光ボランティアの会」会長の鈴木繁實(しげみ)さん(76)は「私たちの住むまちにある『資産』の価値が世界に認められたことはとてもうれしい」と感慨深げ。「これから増えるであろう外国からのお客さまにも対応できるよう努力を重ねていきたい」と抱負を語った。

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