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【沖島から-春(上)】2年ぶり 島に「宝」やってきた

 だがいつしか、若者たちは島に戻らなくなった。茶谷さんの孫たちも島外に住む。「これだけ少なくなると寂しいもんやな」。入学式に出席した茶谷さんはつぶやいた。

 「沖島のいたるところで春の香りが満ちあふれています。美しく、豊かな自然あふれる沖島を大好きになってください」。入学式では、在校生が見守る中、明石誠校長(58)がたっぺい君に語りかけた。

 木造2階建ての学舎に暖かな日差しが降り注ぎ、校庭には可憐(かれん)な菜の花が咲く。「船での通学も、島での学校生活も他では絶対にできない、本人にとって貴重な経験になるはず」と父、友宏さん(44)。登校途中に転んで大粒の涙を流したたっぺい君だったが、入学式が終わるころには笑顔を取り戻し、元気よく桜のトンネルを走り抜けた。

 沖島小に通う子供たちを1年間取材し、その成長を追うとともに、島の豊かな自然や人々の生活を四季の移ろいに合わせて描く。

 ■沖島 琵琶湖の沖合約1・5キロにあり、周囲約6・8キロ、面積約1・5平方キロ。琵琶湖にある3島の中で最も広く、全国で唯一、人が暮らす湖上の島。人口は令和元年5月時点で約120世帯約250人。主な産業は漁業。アユやゴリ、モロコ、スジエビなどがとれ、琵琶湖全体の漁獲水揚げ量の半分を担う。漁業と農業を兼業する世帯が多い。かつては資源を生かした石材業が盛んだったが、戦後衰退した。

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