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【高額薬再び 大きなリスクか小さなリスクか】(上)人生突然の不運 公的医療保険が拠り所

 キムリアは、スイスの製薬大手「ノバルティス」が開発した。対象は、ある種の悪性リンパ腫(しゅ)と急性白血病の患者。患者から免疫細胞を取り出し、遺伝子組み換えで、がん細胞への攻撃力を高めて体内に戻す「CAR-T細胞療法」の一つ。国内では初登場だ。

 承認前の「治験」には日本からも15人が参加した。札幌市に住む女性会社員(49)もその一人だ。人生で突然の不運に見舞われたのは5年前。下腹部の激痛で受診し「悪性リンパ腫」と診断された。女性は「けがはしても病気はしないと思っていた」と話す。

 最初の治療は抗がん剤。成功率は7割弱と高い。ただ説明書には「順調なら治る」とあり、「順調なら」に赤い波線が引かれていた。

 1年もせずに再発した。次の治療は自家造血幹細胞移植で「成功率は五分五分」と言われた。移植した細胞が定着し、「おめでとうございます」と祝福されてほどなく再発した。

 号泣した。治療手段は急激に狭まる。次の成功率を、医師ははっきり言わなかった。そんなとき、北海道大学病院(札幌市)での治験を打診され、参加した。

 以来、ほぼ3年たつが再発はない。「今までの治療で一番長い。こんなに長く効くなんて」

 新薬に専門医らも期待を寄せる。国立がん研究センター(東京都中央区)の伊豆津(いずつ)宏二・血液腫瘍科長は「これまでは、短期間に亡くなる可能性が高かった患者が、一部は1年を超えて再発がない。治癒が得られる可能性がある」とする。

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