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【みうらじゅんの収集癖と発表癖】家出 青春時代を代表するマイ遺品

記念すべき「ファーストアルバム」
記念すべき「ファーストアルバム」
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 “今日旅立つ 僕にとって必要なものは ギターとお金と時刻表”

 現実逃避などという難しいことはよく分からない。本人は至(いた)って単純で、辛(つら)いことと言えば片思いのあのコに告白出来ないことぐらい。だから、親に買って貰(もら)ったモーリスのギターで作る歌は多分に話が盛られてた。

 設定は“放浪するフォークシンガー”。夜汽車に揺られ、当てのない旅先でその心情を歌にする。盛られてたのはそこだけじゃなく、主人公(僕)に故郷で待つ彼女がいるとこ。または、旅先で知り合った孤独な女子と恋に落ちるとこ。“別れは辛いけど 僕は留(とど)まるなんて出来やしない あぁ、また旅は始まるぅー”なんて歌を残して去って行くという盛り様は、もはや虚言癖と言われても致し方ない。

 キャッチーなフレーズばかり探してた高校時代。長期の休みに入ると必ず旅をした。いや、本当は旅行なんだけどそこは敢(あ)えて“旅”。

 「なぁ、いっしょに行かへんけ?」

 淋(さび)しがり屋で毎度、友達を誘った。待ち合わせ場所で初めて僕の放浪するフォークシンガー姿を見て友達は「何でお前、ギターとラジカセ持ってきてんねん?」と、怪訝(けげん)な顔をしたものだ。

 冒頭の歌詞“今日旅立つ-”は、四国・足摺岬のユースホステルで作り、その場で録音したもの。つき合わされた友達が終始、不機嫌だったのは言うまでもない。

 “今日の夜ぶらりと出て 明日は見知らぬ街にいるさ 手には調子の外れたギターを一つ 後には引けねぇ家出だぜ All right”

 それから1年後、フォーク期からロック期へ。憧れのボブ・ディランがそうだったように僕の歌にも“不良要素”が加味された。単に童貞をこじらせてただけの僕には大層、無理があった。

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