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【本郷和人の日本史ナナメ読み】「一夫一婦」は大河主役の条件!?

山内一豊室(若宮氏)画像(模本、東大史料編纂所蔵)
山内一豊室(若宮氏)画像(模本、東大史料編纂所蔵)

 ぼくより随分年若い友人なのですが、連載を担当する産経新聞の記者さんが結婚します。趣味人なので理解ある女性と巡り合えるかなと少しだけ心配していたのですが、こういうニュースは聞く方もとても幸せな気持ちになります。ぜひ共白髪まで仲良く歩んでもらいたいものです。おめでとう!

 共白髪まで仲良くといえば甚だ不敬ではありますが、上皇さまと上皇后さまを自然と想起しますね。このたびの譲位までの一連の儀式でお二人が示された互いを思いやるお姿に、多くの国民が胸を打たれたのではないでしょうか。あのお姿を拝見すると、天皇は男性に限るべしと主張する人でも、皇族男子には側室を認めよ、とはいえなくなるのではないかな。

 フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏によると、人間の最も古い家族の形態は「単婚小家族」で、それが長い年月を経て「直系家族」、さらに「大家族」へと進展するとのことです。日本はおそらくは「単婚小家族」から「直系家族」へと変化し、やがて明治維新を迎えました。ぼくはこの変化は天武・持統天皇の頃に起こり、平安時代の中ごろに「家」が生活の強固な単位となって、「直系家族」が定着したと考えています。詩人で民俗学者の高群逸枝(たかむれ・いつえ)先生が注目し研究された貴族の「婿取り婚」は、大きな変化の中の過渡的形態ではないでしょうか。

 トッド氏の考察が有効ならば、人間は、あるいは日本人は古くは基本的に「一夫一婦」だったのです。夫が側室を持つことは、本来的には「家」を存続させるために後から選択された措置であって、力と余裕のある者はどんどん女性を取り込んでハーレム形成に勤(いそ)しむ、というのは、誤ったイメージなのかもしれません。

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