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【学ナビ】羅針盤 国学院大学・針本正行学長 AI社会、「問い直す力」大切に

国学院大学の針本正行学長
国学院大学の針本正行学長

 「神道精神」を現代の教育に積極的に生かす国学院大学。創立は1882(明治15)年に遡(さかのぼ)り、1920(大正9)年に国内初の私大の一つとして認可された長い歴史をもつ。渋谷(東京都渋谷区)とたまプラーザ(横浜市青葉区)の両キャンパスを拠点に、人文・社会科学系の5学部を擁し、近年は考古学や神道関係の研究業績を集めた博物館が人気を集めている。4月に就任した針本正行学長に抱負を聞いた。(聞き手・頼永博朗)

 --人工知能(AI)が進歩する時代に、人文・社会科学系として屈指の教育実績を誇る国学院大学の社会的使命とは

 「人の営みの中で最も大切なことの一つは『思考する』ことだが、AI社会は人が機械任せになり、考えることを放棄する危険性もはらむ。大切なことは、人がAIを手段にすることができるかどうかだ。現代社会は、正解のない問題を提起された際に、一定の条件の中で資料を基に自ら答えを導き出す能力を求めている。本学としては、学生が既存の知識や与えられたデータをうのみにせず、主体的に思索する精神性を獲得できる学びの場となりたい」

 --国学院大学として、こだわりたい学問の姿勢とは

 「1890(明治23)年に公表された『国学院設立趣意書』には、『自国の在り方を確認したうえで、世界の学問全般について学修すべきである』という一節がある。『国史・国文・国法』の分野を学び、他国の在り方を学んだ上で、改めて自国の在り方を問い直すという研究や教育の営みは、国や地域社会、国際社会に寄与することができる道徳精神を備えた人材の育成にもつながる」

 --中期(5年)計画の「21世紀研究教育計画(第4次)」が3年目を迎えた

 「第4次計画では『人文・社会科学系の標(しるべ)』を将来像に掲げている。その先に見据えるものは『世界の標』になることだ。世界の学生に『日本人の精神性を学ぶことこそが、世界の問題の解決につながる』と思ってもらえるような大学づくりを目指していきたい」

 --教育目標には「大人の育成」を掲げている

 「『大人』とは『考える力』『悩む力』『多様性を受け入れ生き抜く力』と置き換えることができる。私は、そこに『問い直す力』を加えたい。『問い直す力』とは、蓄積してきた『知』を素朴に疑い、新しい『知』の発見に挑み、他者との関わり合いの中で新しい自分を模索し、見つける力であり、年齢を重ねても必要になるものだと考えている」

 --来年は東京五輪・パラリンピックが開かれ、世界の人々が日本文化に関心を注いでいる

 「日本の伝統文化や神道精神を発信すると同時に、私たちも世界の国々の文化を享受したい。東京五輪・パラリンピックは、日本と世界の国・地域の双方向の文化交流があらためて深まるきっかけにもなる。本学としては、文化を発信するだけではなく、世界の文化を受信する機会にもしたいと願っている」

 【プロフィル】針本正行(はりもと・まさゆき) 1951(昭和26)年生まれ、東京都出身。国学院大学文学部文学科卒業。同大大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。同大文学部教授、文学部長、副学長などを経て、4月から現職。専門は平安時代文学。博士(文学)。

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