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【話の肖像画】現役最年長サッカーライター・賀川浩(94)(1)

賀川浩氏(右)に花束を渡し記念撮影に応じる森保一監督=平成31年3月、ノエビアスタジアム神戸(寺口純平撮影)
賀川浩氏(右)に花束を渡し記念撮影に応じる森保一監督=平成31年3月、ノエビアスタジアム神戸(寺口純平撮影)

 ■平成最後の代表戦

 〈3月26日にノエビアスタジアム神戸で行われたサッカー日本代表のボリビア戦をスタジアムで観戦した。約70年間にわたって取材してきた日本代表の平成最後の試合。監督会見の後には、日本サッカー協会が特別に「きょうは賀川さんが来られています」とアナウンスし、森保(もりやす)一監督から花束もプレゼントされた〉

 一緒に写った写真は僕の部屋に飾ってますよ。記者会見場に森保監督が入ってきて目と目とが合った。「来てくれてたんですか」と言われたんで、「いつも(森保監督の試合を)見てるよ」と答えた。僕は新聞記者だったけど、昔から日本代表の監督やコーチとはいろんな付き合いをさせてもらった。(1964年の東京五輪や68年のメキシコ五輪で監督とコーチだった)長沼健や岡野俊一郎の時分からだからね。彼らは僕のことを記者やと思わずに、サッカー界の先輩やと思っていたのかもしれんわな。

 〈ボリビア戦で日本代表は1-0で勝った。森保監督は若手を積極的に起用し、チームは世代交代が進んでいる〉

 今の日本代表の選手たちはみんなうまいからね。外国の選手と対戦するのに慣れているというより、ほとんど海外でプレーしているわけだし。だからむしろ、日本代表に選ばれて集まったときに、暗黙のうちにポンポンとパスを出して受けられるようになる必要がある。日本代表独特のリズムというのがあるんやけど、それが中盤でもゴール前でも、相手ディフェンダーの裏に入っていく動きでも、もっと簡単にできればね。昔は下手でもチームワークでなんとかしようと思っていた。今はうまくなって、体も強くなった。1対1で負けることはあっても、10回対戦して10回ともボールを奪われることはなくなった。球際の勝負は五分五分になっているんだけど、そこで意地になって勝とうと思わんと、その前にボールを素早く離す日本式のサッカーをつくれば、世界と戦うのはそんなに難しいことじゃないと思うんですよ。

 〈ボリビア戦は地元神戸での開催。スタジアムで久々に雰囲気を味わった〉

 もちろん、日本代表の試合はテレビでは全部見てます。実際にスタジアムで試合を見ると、選手のいろんな動作が分かるのがいいね。テレビだったら画面に映った場面のみだけど、スタジアムの記者席からだと、ピッチの反対側で何をやっているのか分かるのは大きい。雰囲気もテレビとは全然違う。今は昔と比べて随分と良くなっているしね。(聞き手 北川信行)

【プロフィル】賀川浩

 かがわ・ひろし 大正13年、神戸市生まれ。神戸一中から神戸商大の予科へ。在学中に出征し、陸軍の特別攻撃隊で終戦を迎えた。復員後、産経新聞社に入社。サンケイスポーツ編集局長(大阪)などを務めた。ワールドカップは1974年大会から10度取材。平成22年に日本サッカー殿堂入り。27年に日本人で初めて国際サッカー連盟会長賞を受賞した。

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