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【私の本棚】『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』堺屋太一 菅義偉官房長官

『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』(PHP研究所提供)
『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』(PHP研究所提供)
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 ■政権支える生き方の手本

 堺屋太一さんの歴史小説『豊臣秀長 ある補佐役の生涯』に出会ったのは、38歳のときに横浜市議選に出馬した前後でした。本屋でタイトルに「補佐役」とあったので気になって、手にとって見てみると豊臣秀吉の弟だと。弟がいるとは知らなくて、それで読んでみようと思いました。

 《『豊臣秀長~』は、天下人まで上り詰める秀吉を補佐役として支える弟、秀長(1540~91年)の生涯を描いた小説。PHP研究所の月刊誌「Voice」に連載され昭和60年に初出版された。文春文庫などでも発売されている》

 衆院議員だった小此木彦三郎先生の秘書時代、私を支援してくれた人に「権謀術数や足の引っ張り合いは昔から変わらない」と三国志を勧められました。織田信長や徳川家康に関する本も一通り読みましたが、自分は表に出ずに物事が前に進むよう段取りをとる秀長の生き方はとりわけ印象的でした。秀長がいなければ秀吉は天下は獲れなかったんじゃないでしょうか。

 中でも印象に残っているのは、岐阜県大垣市の「墨俣(すのまた)一夜城」など、秀吉ができそうにもないことをやりとげていく傍らには、常にそれらの段取りをつける秀長がいたことです。戦略をきちんと練ればできるんだと思いました。軍師として招き入れた竹中半兵衛に対し、本来は格上の秀長が一歩引いて半兵衛を立てたのも参考になりました。

 秀長の生き方は、官房長官として当たっている政権運営に影響していると思います。安倍晋三首相が立てた方針を具体化するときに、秀長のように全体をみながらも一つ一つ細かく目配りをするということが役に立っています。

 堺屋さんにはこの本が愛読書だと伝え、親交を深めました。2月8日に亡くなり、葬儀で弔辞を読みました。運命のようなものを感じます。忘れられない思い出となっています。

【プロフィル】菅義偉

 すが・よしひで 昭和23年、秋田県生まれ。横浜市議などを経て平成8年に衆院神奈川2区から出馬し初当選。総務相などを歴任し、24年12月から現職。

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