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【親子でわくわく かがく絵本】「ダンゴムシ みつけたよ」

「ダンゴムシ みつけたよ」
「ダンゴムシ みつけたよ」

■出合いから心の成長へ

 平成14年にポプラ社から刊行された『ダンゴムシ みつけたよ』(皆越(みなごし)ようせい写真・文)では、ダンゴムシの生態が写真で語られています。

 モゾモゾと動いているのに、触れるとコロンと丸まって形が変化するダンゴムシは、子供にとって面白く、不思議な存在です。かつて私が幼稚園で担任をしていたとき、毎年、子供たちとダンゴムシのさまざまな出合いがありました。

 初めは自分の手で触れることを怖がる子もいますが、プリンなどの透明な容器にダンゴムシを入れて手のひらに乗せると、子供たちは容器を通してダンゴムシに触れるうれしさを味わいます。そのうち、素手で触れられるようになり、子供にとって自信となります。

 夢中になって繰り返し見つけたり、捕まえたりする中で、子供たちはダンゴムシの殻の模様が違うこと(それでオスとメスを見分けられます)や、裏側にある足の数や動きなど、ダンゴムシの体のさまざまなことに気づいていきました。また、ダンゴムシは何を食べるの? どうやって飼うの? など、ダンゴムシの暮らしに、子供自らが問いを持って絵本や図鑑で調べ、クラスで大切に飼い始めました。ダンゴムシは虫ではなく、甲殻類であることは驚きでした。

 自分たち人間の世界がここにあるように、ダンゴムシにはダンゴムシの世界がそこにあることを知り、ダンゴムシにとって心地よい世界とはどんなものなのかを考え始めました。それは、自分とは違う相手に心を寄せ、相手の世界を尊重していく姿でもあります。

 ある日、5歳児クラスの飼育ケースの中で、たくさんのダンゴムシの赤ちゃんが生まれました。小さな小さな命の営みに、子供も私も感動し、喜びました。当初はダンゴムシを捕まえることだけに固執し、捕まえた後は、げた箱の上に置いたままでも平気だった子供たちが、ダンゴムシとのかかわりを通して、心を成長させていきました。(国立音楽大教授・同付属幼稚園長 林浩子)=次回は5月17日掲載

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