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〝名付け親〟万葉集研究・中西進さんに聞く 「令和」うるわしき精神

 --新聞でも西暦を採用する例が増えるなど、西暦が一般になじんで、元号不要論も出ています

 中西 元号は、みんなが「こういう時代にしようよ」という目標なんですよ。心のよりどころといってもいい。元号は制度と思われるかもしれませんが、むしろ人々の生き方を示す文化、志というべきものです。そういう文化を残す国が世界にひとつくらいあってもいいでしょう。

 誤解を恐れずに言えば、西暦は時間経過を示した数字にすぎない。これに比べると元号はおしゃれですよね。手紙を書くときに西暦よりも元号の方が美しいでしょう。

 --「令和」の考案者ではないかといわれていますが

 中西 元号は特定の個人が考案するようなものではないと本気で思っています。素案を考える人たちは必要でしょうが、最終的には多数の意見で決まる。考案者はこの人であるという必要はないと思います。

     ◇

 初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香

【出典】「万葉集」巻五、梅花の歌三十二首并せて序

 初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす

【現代語訳】(中西進氏著「万葉集」から)

 新春の好(よ)き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている

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【プロフィル】中西進(なかにし・すすむ) 昭和4年、東京都出身。東京大学大学院博士課程修了。高志の国文学館長(富山市)、国際日本文化研究センター名誉教授。比較文学の手法で分析した万葉集研究で知られ、「中西万葉学」とも評されている。著書に「万葉と海彼」「大伴家持」「中西進著作集」など多数。平成25年、文化勲章。

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