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草間彌生、90歳でも衰えぬ創作意欲 ステンレスの「南瓜」日本初公開

「PUMPKIN]2015年 ウレタン塗装・ステンレススチール 
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 前衛芸術家の草間彌生(やよい)はまだまだ元気だ。東京都新宿区にある草間彌生美術館で「幾兆億年の果てより今日も夜はまた訪れてくるのだ-永遠の無限」展が始まり、新作や初期の作品を公開。2006年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞し、世界で高く評価されている草間は3月に90歳を迎えたが、いまだに創作意欲は衰えない。 (文化部 渋沢和彦)

 永遠の無限

 2017年10月に開館した草間彌生美術館は、所蔵する草間作品を年に2回、展覧会を通じて紹介している。新作の目玉は本展のために制作した「天国への梯子(はしご)」だ。暗闇の中に浮かんでいるのは光るはしご。長さは3メートルほど。樹脂製で水玉模様で覆われている。中に仕組まれたライトが点滅し、赤など七色に変化する。上下に設置された鏡の効果で、暗い地中にどこまでも落ちていき、天には果てしなく上昇するように見える。本展のタイトルの「永遠の無限」を表現していて幻想的。過去にはしごの作品は制作しているが、表面に水玉が施されたのは初めてだという。

 絵画は、2009年から始まり600点近くになるという代表シリーズ「わが永遠の魂」から厳選した21点を公開。顔や目玉、はたまた微生物のようなものまで現れ、ありとあらゆるのが描き込まれている。その多くは全体が着色され、色彩が炸裂(さくれつ)していてパワフル。だが、昨年制作された「無限の空間への憧れ」は傾向が違う。画面下部には目のようなものが連続して描かれた黒い図柄があるだけで、ほとんどはピンクの色彩で覆われている。無ともいえる空間が、絵の外の果てしない宇宙へと繋(つな)がっているように思える。巨匠は、いまなお進化し新境地を見せる。

試行錯誤の痕跡

 草間は1929年、長野県松本市に生まれた。幼少期から幻覚や幻聴に悩まされ、その幻視体験から逃れるために絵を描き始めた。京都の美術学校で日本画を学んだが、師弟関係にうるさく、しがらみだらけの画壇に息がつまり、57年に渡米。翌年からキャンバスを網目で埋め尽くす油彩画を制作し「無限の網」の連作となった。本展ではそのシリーズから、58~61年に制作された白や茶を主体にした静かな作風の5点の油彩画を展示。

 さらに「No.11.A.」が初公開となった。59年の作で、同時期に制作した「無限の網」とは趣が違う。網目でもなく、明確な形も現れていない。一部にはミミズがはったような黒い跡が見える。中心もなく全体が混沌(こんとん)とした様相を呈する。色彩はどちらかといえば地味で暗め。現在のカラフルな作品とも大違い。「網目の絵画を発表していたときにも、このような作品を制作していた。試行錯誤の痕跡を見ることができる」と同美術館の塩田純一学芸部長は説明する。ニューヨークの草間スタジオを撮影した写真には、類似した作品が写っていて、初期の創作の実像がわかる貴重な作品といえるだろう。

初期の作品も

 屋上ギャラリーではステンレス製の南瓜の立体作品が鎮座。赤や黄の水玉の模様の隙間に空や周囲の風景を映し出し、軽やか。2015年の作品だが日本初公開となる。

 アメリカでの活動は美術評論家らに評価されて名声を高め、1973年に帰国。日本を拠点に活動を展開し、世界各地の美術館で個展が開かれている。

 珍しい初期の作品から現在の鮮烈な色彩の作品までがそろった本展は、草間の創作の軌跡がわかり、興味深い。

 8月31日まで。開館日は木・金・土・日曜日および国民の祝日。一般1000円、小中高生600円。入場は日時指定の完全予約・定員制(各回90分)。毎月1日午前10時(日本時間)に翌々月分のチケット販売を開始。購入後の日時変更、払い戻しは不可。当日券なし。チケットは美術館ウェブサイトのみで販売。URL www.yayoikusamamuseum.jp

入場時間

(1)11時~12時半(11時半までに入場)

(2)12時~13時半(12時半までに入場)

(3)13時~14時半(13時半までに入場)

(4)14時~15時半(14時半までに入場)

(5)15時~16時半(15時半までに入場)

(6)16時~17時半(16時半までに入場)

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