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【プロの仕事】障害者にオシャレな靴を 義肢装具士

義肢装具士の菅野ミキさん
義肢装具士の菅野ミキさん

 童謡「赤とんぼ」を作詞した三木露風のふるさととして知られる兵庫県たつの市。その郊外にある靴工房「&MIKI(アンドミキ)」を訪ねると、さまざまなデザインのカラフルな靴が並んでいた。普通の靴と違うのは、工房で扱っているのが病気や事故で足が不自由になった人のための「整形靴」であることだ。

 「ただ足にフィットするだけの靴、歩きやすいだけの靴では満足してもらえません。機能性はもちろん、デザイン性も大切です。障害があっても、おしゃれを楽しみたいと思っている人は多い」

 工房代表で義肢装具士の菅野(すがの)ミキさん(31)は話す。

 高校時代はリハビリメークや特殊メークに興味を持ち、将来は美容関係の仕事で人の役に立ちたいと漠然と思っていた。卒業後の進路に悩んでいるうちに、手足や指を失った人の機能をサポートする装具や技術があることを知り、神戸医療福祉専門学校三田校(兵庫県三田市)義肢装具士科に進んだ。

 医学や生理学、解剖学、工学などの基礎知識を習得したほか、週3日の実習では義手、義足の採型から成形までの工程に必要な技術を学んだ。臨床実習では病院などにも出かけ、患者が何を求めているのかを理解し、理想の装具をイメージする力を養ってきた。

 卒業後は装具メーカーに就職し、子供向けの装具製作を経験。障害や悩みが人それぞれに異なっていることに気づいた。治療として必要と理解はしていても、義肢をつけることに抵抗する子供や親も少なくない。「特に思春期の女の子は、色やデザインが気に入らないので装着を嫌がることがありました」と振り返る。

 約5年前に退職して、障害者のための「整形靴」開発に挑戦しはじめた。オーダーメードの高級靴をつくっていた兄の工房に入り、アドバイスを受けながら靴づくりに没頭した。約3年前に独立し、実家近くに工房兼ショップをオープン。同時にオリジナルブランドも立ち上げた。

 障害は千差万別で、十人十色の注文を受けつけているが、「履き心地が良くて、おしゃれな靴をつくる」という原点はブレない。客の要望を聞き、足に合わせた素材やフォルムを相談しながらデザインする。履きやすくするために革の種類や色も選べるようになっている。

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