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中世、和のやきもの 出光美術館で「六古窯」展

「大壺 銘 猩々」丹波窯 鎌倉時代 兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション)
「大壺 銘 猩々」丹波窯 鎌倉時代 兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション)
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 中世から生産が続く国内の代表的な6つの窯-瀬戸(愛知県)、常滑(同)、越前(福井県)、信楽(しがらき)(滋賀県)、丹波(兵庫県)、備前(岡山県)-を総称して「六古窯(ろくこよう)」という。戦後に陶磁学者、小山冨士夫が提唱したものだが、平成29年に文化庁の「日本遺産」に選定されるなど、歴史ある和のやきものの産地として改めて注目されているという。

 東京・丸の内の出光美術館では企画展「六古窯」が開催中。素朴で力強い中世陶器の魅力が味わえる。

 壺、甕(かめ)、摺鉢(すりばち)…。もとは中世の人々が日常使ったうつわだ。食料を運んだり貯蔵したり、骨壺として使われたものも。瀬戸を除き、中世は焼締め陶器が中心だが、同じ茶褐色でも産地の土によって色味や質感は異なる。自然釉が斜めにかかった「双耳壺(そうじこ)」(越前窯)のように、窯の中で偶然起きた変化も面白い。

 ゆがんだうつわも妙味に富む。「シンメトリー(左右対称)なかたち、完全であることを美とする中国の同時代の価値観なら、これらは失敗品として捨てられたでしょう」と同館の徳留大輔・主任学芸員。

 中世の日本人も失敗と認識したかもしれないが、捨てるのは惜しいと思ったのか、あるいはゆがみや破れも受容するおおらかな美意識が既にあったのか、結果的に使われ今日まで残った。桃山時代になると、中世のうつわは茶の湯の道具にも使われ、以降、鑑賞の対象になってゆく。

 展示の終盤、個性的な2つの壺が並ぶ。「大壺 銘 猩々(しょうじょう)」(丹波窯)は表面に現れたこぶのような火ぶくれがユニーク。「刻文大壺 銘 御所柿」(信楽窯)は、ふくよかなフォルムと枯れた味わいが魅力的だ。どちらも写真家、土門拳が愛した旧蔵品という。

 重要文化財など約100件。6月9日まで、月曜休(4月29日、5月6日は開館)。(黒沢綾子)

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