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【夜間中学はいま】(4)「消えた子供」が見つけた命綱

一本の命綱

 「将来」の二文字に山崎さんの気持ちは揺れ動く。

 学校と無縁だった頃、「将来の夢」は別世界のことだった。夜間中学に通うようになり、将来に少し光が差した。だが、将来への不安が消えたわけではない。ただ、その意味合いは異なる。「以前は自分には何もなくて、どうしたらいいのか分からない不安。今は夜間中学を卒業した後、高校へ進学するのか就職するのか、選択の迷いです」

 先生は高校進学を勧めるが、踏み切れないのは、同年代にはすでに大学を卒業し就職している人が多いから。「同年代より大きく遅れているという、頭の片隅にある負い目」が山崎さんの心を重くする。自立するためには現在のパート勤務ではなく、フルタイムで働いた方が良いと思う一方で、学び続けて高校卒業の資格を得たいとも思う。

 一枚のポスターをきっかけにたどり着いた夜間中学は、山崎さんには「一本の命綱」だった。「夜間中学に通えたから選択肢が生まれた。夜間中学と出合えたから今の私がいる。それは確かなこと」。もう少しだけ悩んで、将来の道を決めるつもりだ。

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