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【平成の科学(1)】「宇宙論は革命的に進歩」 村山斉・米カリフォルニア大バークレー校教授

宇宙論の発展について話す村山斉・米カリフォルニア大バークレー校教授
宇宙論の発展について話す村山斉・米カリフォルニア大バークレー校教授
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 間もなく幕を下ろす平成の時代。大きく動いた科学技術の30年間について、各分野の識者に振り返ってもらう。第1回は宇宙の一生を探究する「宇宙論」をテーマに、米カリフォルニア大バークレー校の村山斉教授(理論物理学)に聞いた。(小野晋史)

ビッグバン宇宙論が王道に

 --アインシュタインやホーキングらの成果を受け継いだ宇宙論の研究は、どのように展開しましたか

 「すごい革命的な進歩をしたと思います。特に重要なのは、平成元(1989)年に米国が打ち上げた天文衛星『COBE(コービー)』の成果と、10年に超新星の観測で判明した宇宙の加速膨張でした。

 まずCOBEは、ビッグバンの名残である宇宙背景放射という電波によって、誕生間もない宇宙におけるわずかな温度のむらを明らかにしました。これは星や銀河などの“種”となったものです。温度のむらは物質の分布のむらでもあります。物質の密度が高い領域には、重力によって少しずつ周りの物質が集まり、やがて星や銀河が生まれました。

 当時、既にビッグバンを疑う人はほとんどいなかったのですが、ビッグバンと今の宇宙との間をつなげることはできませんでした。それをCOBEが可能にしたのです。これにより、ビッグバン宇宙論は一気に王道となりました。極端な言い方をすれば、初めて宇宙論がサイエンスになった瞬間です。その後の宇宙論は、COBEをもとに進んできたといえるでしょう。

 一方、加速膨張の発見も重要です。そもそも膨張が加速するというのはすごく奇妙で、みんながびっくりした大発見でした。ビッグバンで宇宙が広がっても、重力で互いに引っ張り合ったら膨張は減速しないとおかしい。それが加速するなら押すものが必要です。今はダークエネルギーというのが押していると言っていますが、その正体はまだ分かりません。

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