PR

ライフ ライフ

【高見国生の認知症と歩む】(13)入院時せん妄か認知症か

 喉にできものができたため検査と治療で1カ月間の予定で入院した79歳の女性が、入院直後から様子がおかしくなりました。同じことを何度も言ったり、1分前に話したことを忘れたり、食事をしたことも忘れたりしてしまいます。

 娘さんが心配して尋ねたら、食道科の医師は「入院時せん妄でしょう。心配いりません。退院すれば治りますよ」と言ってくれたので安心していました。ところが、1カ月後に退院しても症状は変わらないので、本当の認知症が始まったのではないかとまた心配をしています。

 入院時せん妄とは、もともとの体調の悪さに加え、入院による環境の変化、手術に伴う疲労、点滴や薬の影響などが重なり、一時的に意識が混乱することです。場所や時間の感覚が鈍くなる、幻覚が見える、怒りっぽくなる、落ち着きがなくなる、話のつじつまが合わなくなるなどの症状があります。認知症と似ていますが、違うところは、突然発症することです。そして一過性ですから、退院するなどして環境が元に戻るとせん妄も消えます。

 ところが79歳のこの女性は退院しても症状が継続しているといいますから、年齢から考えて、認知症の始まりと入院時期が重なったのかもしれません。そうだとするなら、治療方針を確定するためにも、娘さんが腹を据えてお母さんと向き合うためにも、まずは認知症かどうかを知る必要があります。しかし、これまで認知症には関心を持っていなかったので、何科を受診すればよいのか、母親に何と言って病院に連れていけばいいのか、皆目見当がつかないと言います。

 家族の誰かが認知症ではないかと心配になったとき、どうすればよいのか。次回、お話ししましょう。

【プロフィル】高見国生

 たかみ・くにお 認知症の養母を介護し、昭和55年に「認知症の人と家族の会」を設立。平成29年まで代表を続け、現在は顧問。同会は全国に支部があり、会員数約1万1千人。

 「認知症の人と家族の会」電話相談 平日午前10時~午後3時、0120・294・456

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ