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【健康カフェ】(149)尿路感染症 高齢者は男女ともに注意

 慢性疾患の治療を他の病院でしている80代女性が、発熱して具合が悪いと家族に連れられて受診しました。家族はインフルエンザを疑っていましたが、検査は陰性。ただ、血液検査で炎症反応が高かったため、かかりつけの病院で検査してもらったところ、尿路感染症と診断されました。抗生剤と水分の点滴で症状は改善したそうです。

 ぼうこう炎に代表される尿路感染症は、尿道から大腸菌をはじめとする細菌が入り込んで起こり、尿道が短い女性に多い病気です。ただ、若いときは男女比が1対50と女性が圧倒的に多いですが、高齢者の男女比は1対2とされ、男性にとっても無縁ではありません。

 ぼうこう炎になると、頻尿や排尿時痛、残尿感、血尿といった症状が出て、さらに悪化すると発熱や腰痛といった症状が出ることもあります。通常は抗生剤を投与することで、数日から1週間程度で症状は軽快します。ただ、高齢者では尿路感染症になってもはっきりした症状が出ないこともあり、診断に苦慮することが多々あります。治療が遅れ重症化したり、逆に不必要な抗生剤投与を招いたりすることもあります。

 英国で約16万人の高齢者を対象に、尿路感染症の治療法の違いがその後の健康状態にどう影響するかを調べた研究結果が今年2月、英国の医学雑誌に発表されました。

 研究は、尿路感染症と診断された人を(1)すぐに抗生剤を投与(2)遅れて抗生剤を投与(3)投薬を受けない-の3群に分け、その後の60日間で重症の感染症となる菌血症の発症や入院、死亡に差があるかを調べました。結果は、遅れて投与されたり投薬を受けなかったりした人は、すぐに投与された人に比べ、菌血症に7~8倍なりやすく、入院や死亡率が高くなっていました。

 これらの研究結果から、高齢者で発熱や食欲不振、体調不良が見られたとき、ぼうこう炎の症状がなくても、他に明らかな原因がなければ、男女ともに尿路感染症を疑う必要があるといえます。診断や治療の遅れが入院や死亡につながる恐れがあるためです。

 尿路感染症の予防は難しいものです。高齢者で、風邪症状もないのに何日も調子が悪い状態が続くようなら、かかりつけ医の受診を考えてみてください。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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