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カリフォルニアワインが放つ多彩な魅力 ~バイザグラスで広がる楽しみ(1)~

 カリフォルニアワインが進化を続けている。変化に富んだ地形や土壌、複雑な気象条件に加え、欧州でのワイン造りの伝統を継承しながら、醸造学などの学術研究や最先端技術、高い環境意識、食の流行を柔軟に取り込んでいる。

 「お気に入りが必ず見つかる」といわれるほどの多様性を誇るカリフォルニアワイン。レストランなどでも、さまざまなワインを気軽に楽しめるスタイルとして、1杯から注文できる〝バイザグラス〟が定着している。個性豊かな造り手たちが生み出す魅力を4回にわたって紹介する。

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〈ワイン×料理〉 カリフォルニア流フードペアリングとは?

 米国では近年、農業が盛んなカリフォルニア州を中心に食に対する関心が高まっている。食育として、野菜栽培や栄養学、世界各地の食文化を総合的に学ぶ機会が広がっているという。こうした意識の変化はワインと料理の楽しみ方にも影響を与えている。

 ワインと食材の調和には、一定のルールがある。調和する味、補完しあう味の2点を基本に、風味や食感、アロマのバランスを考え、洗練されたマリアージュ(調和)を演出することで、食の豊かさはさらに広がる。

 新鮮な食材を使った料理に合わせるのは、カリフォルニアをはじめ米国各地、世界各国のワイン。ボトル注文はもちろん、バイザグラスのワインリストが充実している飲食店が多く、料理一品一品との相性を考える楽しみがある。世界のワインを探究したり、地元産にこだわったり…。好みに合わせ、調和やギャップを冒険しながら、新たな味覚を開拓していくのがカリフォルニア流ペアリングのようだ。

サンフランシスコのフェリービルディング・マーケットプレイスや週3回開催されるフェリープラザ・ファーマーズマーケットには、健康志向を背景にキノコ類やワサビの葉、ベビーケールといった食材が並ぶ
サンフランシスコのフェリービルディング・マーケットプレイスや週3回開催されるフェリープラザ・ファーマーズマーケットには、健康志向を背景にキノコ類やワサビの葉、ベビーケールといった食材が並ぶ
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◇鮮度にこだわるファーム・トゥ・テーブル

 「求められているのは、食材の新鮮さ。ファーム・トゥ・テーブル(農園から食卓へ)を心がけ、地産地消を大切にする。ワインも地元ソノマにこだわっている」

 現代的なアメリカ料理を提供するレストラン『チョークボード』のシェフ、シェーン・マクアネリーさんは力を込める。

 同店は2013年、カリフォルニア州ノースコーストに位置するソノマ郡ヒールズバーグに開業した。多くのワインブランドを傘下に収めるフォーリー・ファミリー・ワインズが運営している。料理は小皿にこだわり、量は少なめに。自社畑を中心に新鮮さと旬を逃さず仕入れた野菜をはじめ、生魚や手打ちパスタなど、素材の持ち味にこだわった料理が堪能できる。

左はマグロにポン酢、隣はヒラマサとキウイフルーツの出合いが斬新な一品。果実のアロマが芳醇な「チョークヒル シャルドネ ソノマコースト 2017」と。マイヤーレモンとバター香るパスタには「ロス・エステート シャルドネ ソノマコースト 2015」を
左はマグロにポン酢、隣はヒラマサとキウイフルーツの出合いが斬新な一品。果実のアロマが芳醇な「チョークヒル シャルドネ ソノマコースト 2017」と。マイヤーレモンとバター香るパスタには「ロス・エステート シャルドネ ソノマコースト 2015」を
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 ワインリストも、ソノマのロシアンリバー・ヴァレーにあるチョークヒルAVA(米国政府承認ブドウ栽培地)でワインを造り続けるワイナリー、チョークヒル・ワイナリーなどが手がけるバラエティ豊かなワインがボトルやグラスでそろう。バイザグラスのリストには、スパークリング1種を含む白8種類、スパークリングロゼ1種類、赤は8種類が並んでいる。

リストにはないワインだが、ペアリング体験。フライドチキンと「セバスチャーニ カベルネ・ソーヴィニヨン ノースコースト」は元気がでる組み合わせ(左)。グリルしたレタスにカラスミをのせたサラダは、メルローで軽やかに
リストにはないワインだが、ペアリング体験。フライドチキンと「セバスチャーニ カベルネ・ソーヴィニヨン ノースコースト」は元気がでる組み合わせ(左)。グリルしたレタスにカラスミをのせたサラダは、メルローで軽やかに
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「米国の食も変わってきている。食材は地元カリフォルニア産にこだわり、世界各地の調味料を取り入れて新しさを創造する。いろいろな味を試してもらいたい」と話すシェーンさん
「米国の食も変わってきている。食材は地元カリフォルニア産にこだわり、世界各地の調味料を取り入れて新しさを創造する。いろいろな味を試してもらいたい」と話すシェーンさん
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◇ヨーロッパの伝統が伝える食とワイン

 カリフォルニアワインの特徴の一つは多様性だろう。さまざまなルーツを持つ人が土地に集い、ワイン造りに携わっている。

 シュグカーネロスエステートワイナリーは1980年、ソノマ郡とナパ郡にまたがるブドウ栽培地、ロス・カーネロスで創業した。創業者の故ウォルター・シュグ氏は、ドイツのワイン生産者の家系で、ガイゼンハイム大学とカリフォルニア大学デービス校で醸造学と栽培学を学んだ。

 カーネロスは、サンフランシスコ湾の北側に隣接し、アラスカ海流が流れ込んで回流するサンパブロ湾から近いため、海からの風と霧の影響を強く受ける。この冷涼な土地でのピノ・ノワールの可能性にいち早く注目し、ヨーロッパスタイルを思わせるクラシックなピノ・ノワールとシャルドネを生産し続けている。

 家族の歴史を引き継ぐクラウディア・シュグさんは、「ヨーロッパの伝統では、ワインは食事の楽しみとともにある。日々の食事、祝祭…。食事を引き立て、テーブルを囲む人たちを幸せにするワインを造ることを忘れてはいけない」と指摘する。

ワイナリーの歩みが彫り込まれているオーバル(楕円)型樽について説明するクラウディアさん
ワイナリーの歩みが彫り込まれているオーバル(楕円)型樽について説明するクラウディアさん
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 クラウディアさんのペアリングのおすすめも、伝統的な考え方に添っている。みずみずしい果実の味わいとすがすがしいミネラルが感じられる「ソーヴィニヨン・ブラン ソノマコースト 2017」には、スープやサラダ、甲殻類を。リッチで力強いブルゴーニュスタイルの「シャルドネ カーネロス 2016」には、クリーム系スープや鶏肉、子牛料理。そして、シュグの看板ともいえるピノ・ノワールは、どのシリーズでもグリルした魚や肉料理、バーベキューの味を引き立ててくれるという。

ピノ・ノワール3種。「ピノ・ノワール カーネロス 2017」(中央)は、チェリーやベリー類の後にスパイシーな香りが追いかけてくる。子羊や鴨料理にもいい
ピノ・ノワール3種。「ピノ・ノワール カーネロス 2017」(中央)は、チェリーやベリー類の後にスパイシーな香りが追いかけてくる。子羊や鴨料理にもいい
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◇発泡感、食感…。五感で味わうスパークリング

 シュグと同様にカーネロスという土地に根を下ろし、スパークリングワインを造り続けるのはグロリアフェラーだ。スペインのスパークリングワイン大手フレシネ社のホセ・フェラー氏が1982年に設立した。

 ピノ・ノワールやシャルドネを栽培し、早めに収穫した酸味の強いブドウを使って、シャンパンと同じ瓶内二次発酵製法で良質なスパークリングワインを産出している。

開放的なカウンター。ワイングラスを片手におしゃべりや笑い声がたえない
開放的なカウンター。ワイングラスを片手におしゃべりや笑い声がたえない
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 グロリアフェラーは堅実な製造の一方で、今に合わせたワインの楽しみ方を積極的に提案している。広大なブドウ畑を眺めるテラスやテイスティングルームは、多くのワイン愛好者で賑わう。ワイナリーは結婚式会場として開放されているほか、1年を通してカーブ(貯蔵施設)見学ツアーや親子で参加できるバーベキュー試飲会、フードペアリング体験『Bubbles&Bites(泡と軽食)』などのユニークなイベントが開催され、人気を集めている。

『Bubbles&Bites』が提案するペアリングは、さまざまな食文化が反映されている
『Bubbles&Bites』が提案するペアリングは、さまざまな食文化が反映されている
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 写真左奥の「グロリアフェラー ブラン ド ブラン」は、シャルドネ100%で3年半の熟成を経て、芳醇でエレガントなワインに仕上がっている。ペアの軽食(手前左)は、小さく焼いたロシアのパンケーキ・ビリニ。上にはフレッシュクリームとショウガで風味づけしたホワイトフィッシュ(サケ科)の魚卵をのせている。

 中央奥の「エステート ピノ・ノワール 2015」はフレッシュな果実味で、ブラウンシュガーとチリパウダーをからめたベーコン(手前中央)と一緒に。右奥の最上級スパークリング「ロイヤル キュヴェ 2013」には、中東や中央アジアなどの伝統菓子バクラバを。多くの参加者が、ワインの繊細さと菓子の濃厚な甘さのおいしさに驚くという。

最上級の「カーネロス キュヴェ」には、ポテトチップスのトリュフ塩味。通称マリー・アントワネットグラス(クープグラス)で気分も盛り上がる
最上級の「カーネロス キュヴェ」には、ポテトチップスのトリュフ塩味。通称マリー・アントワネットグラス(クープグラス)で気分も盛り上がる
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 グロリアフェラーのホスピタリティー・コーディネーターは、「スパークリングワインの魅力の一つは、こめかみにまで伝わる心地よい泡の刺激。気泡がまっすぐに立ち上る様子も美しい。ペアリングの際には、五感で楽しめる組み合わせを考えてほしい」とアドバイスしている。

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【カリフォルニアワイン バイ ザ グラス プロモーション 開催中】

 カリフォルニアワイン協会が主催する「カリフォルニアワイン バイ ザ グラス プロモーション2019」が、4月1日(月)から5月31日(金)までの2カ月間、全国各地のレストランで開催される。プロモーションは毎年実施されており、今年で25回目を迎える。

 米国はイタリアやフランス、スペインに続いて世界第4位のワイン生産量を誇り、国内の約9割がカリフォルニア州から産出されている。バイザグラスではワインを1杯から注文でき、米国では気軽にワインを楽しめるスタイルとして定着している。

 プロモーション中、飲食店では料理に合わせたカリフォルニアワインを5種類以上用意。珍しいワインを選べるほか、ボトルでは高価で手が届かないプレミアムワインを気軽に堪能することができる。

 参加飲食店などの詳細は、特設ウェブサイトへ。

(提供 カリフォルニアワイン協会)

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