PR

ライフ ライフ

【ビジネスパーソンの必読書】

 卒業、異動、転職、入学、入社…別離や門出の季節である。寂しさを感じたり、新たな舞台に気後れしたりするかもしれないが、すべて前進と成長に欠かせないプロセスであると考えよう。どんな経験も、必ず糧になっていく。ビジネスにはそういう柔軟な視点が必要だ。

 ◆信用格差社会へ!?

『キャッシュレス覇権戦争』
『キャッシュレス覇権戦争』
その他の写真を見る(1/3枚)

 『キャッシュレス覇権戦争』岩田昭男著(NHK出版新書・780円+税)

 IT企業などが続々と参入し、百花繚乱(りょうらん)の様相を呈する「キャッシュレス決済」。特にQRコードを用いるスマホ決済が一気に拡大中。本書は、「狂騒曲」とも呼べそうな日本のキャッシュレス事情を概観し、その未来を占う。

 消費生活ジャーナリストの著者は、キャッシュレス普及の鍵は、「地方」と「小規模商店」にあると指摘。現に、ある決済業者は、全国の小規模商店にしらみつぶしに営業攻勢をかけているそうだ。

 さらに著者は、キャッシュレス決済によって個人情報が企業に渡ることを危惧する。購入品や支払金額、行動傾向、趣味・嗜好(しこう)などが読み取られ、点数化される。そしてそれが「信用格差社会」を現出しかねないという。キャッシュレスにおける個人情報の問題は、そんな窮屈極まりない社会に帰結するかもしれないのだ。

 一人一人がそのリスクを認識しながら、健全なキャッシュレス社会のあり方を考えていくべきだろう。

 ◆社会意義ある事業

『インパクトカンパニー』
『インパクトカンパニー』
その他の写真を見る(2/3枚)

 『インパクトカンパニー』神田昌典著(PHP研究所・1600円+税)

 事業を通じて社会問題の解決を目指しながら成長を続ける中小企業、それが「インパクトカンパニー」だ。著者の造語で、本書ではそれを、成熟産業でビジネスモデルの転換により「再成長」を図る企業のあり方として論じる。

 キーワードの一つが「プラットフォーム化」。ウェブ上に人々が出会う場をつくり、新たな価値を創造する。紹介される事例のひとつ「鯖や」は、サバ専門に事業を展開。4年半で海外進出まで果たした。同社の右田孝宣社長は、自社そのものをプラットフォームに見立てた。ユニークなのが「クラウド漁業」。サバの養殖から店舗での販売までを一貫して手がける。その資金をクラウドファンディングで調達する試みだ。第1弾には福井県小浜市が手を挙げ、コラボが実現している。

 「漁業資源の保護」といった社会意義のある事業だからこそ、プラットフォーム上に共感した人や組織を集められる。そして、人にも事業内容にも広がりを持たせられる。

 ◆AIの本質を探る

『予測マシンの世紀』
『予測マシンの世紀』
その他の写真を見る(3/3枚)

 『予測マシンの世紀』アジェイ・アグラワル他著、小坂恵理訳(早川書房・1700円+税)

 「仕事が奪われる」などとAI(人工知能)を必要以上に恐れていないだろうか。それよりAIが得意なことをいかに活用するかを考えた方が賢明だろう。AIの本質を「予測」と見るのが本書。予測の対象には「現在」も含む。例えばスマホの顔面認証は現在を予測する機能のひとつ。「予測マシン」としてのAIが意思決定や経営戦略、社会全体にどのように影響するかを論じる。

 AIの予測精度が上がれば、アマゾンがビジネスモデルを大きく変える可能性もあるという。個々の消費者が何をいつ買いたいかを予測できれば、注文を受ける「前」に商品を送れる。予測が正確なら返品は少ないはずで、回収コストは小さくて済む。それなら、いつそんなサービスが始まってもおかしくない。

 AIが予測し、人間がそれをもとに判断といった分業が理想。そのためにはAIが何をどこまでできるのか、冷静に見極めていく必要がある。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ