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【フード 食・歳時記】花見弁当 江戸に咲いた庶民の楽しみ

「日本橋弁松総本店」の花見弁当(税込み1458円)。日本橋三越本店(東京都中央区)や伊勢丹新宿店(新宿区)などで、27日~4月7日まで販売(三尾郁恵撮影)
「日本橋弁松総本店」の花見弁当(税込み1458円)。日本橋三越本店(東京都中央区)や伊勢丹新宿店(新宿区)などで、27日~4月7日まで販売(三尾郁恵撮影)
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 いよいよ本格的なお花見シーズン。満開の桜の下で飲めや歌えやの花見スタイルは、日本ならではの春の風物詩でもある。お花見に欠かせないのがお弁当。手作りするもよし、デパートで買うもよし。今では当たり前に手に入る弁当も、食べ物の持ち運びに便利な容器ができてこそ可能になったようだ。(平沢裕子)

                  

享保の改革で桜植樹

 日本人に花見の風習が始まったのは奈良時代とされ、万葉集にも桜を詠んだ歌が数十首収録されている。平安時代以降に宮中行事に桜の花見が取り入れられるようになり、江戸時代に庶民にも広まった。

 そのきっかけとされるのが、8代将軍の徳川吉宗が「享保の改革」の一環として、江戸郊外の飛鳥山に約1200本の桜を植樹して整備したことだ。飛鳥山は、江戸の中心地である日本橋から約8キロメートルと日帰り可能な距離。人々は、屋台で軽食を買ったり弁当を持参したりして、桜の下で昼食をとったようだ。

 弁当といっても、当初はおにぎりぐらいしか持って行けなかった。複数のおかずが入った弁当が楽しめるようになったのは江戸末期。魚河岸がひしめく日本橋で食事処を営んでいた「樋口屋」の3代目が、弁当専門店「日本橋弁松総本店」(東京都中央区)に業態変えしたころからとみられる。

 8代目の樋口純一さん(47)は「創業当初は経木や竹の皮でおかずを包んでいたようだが、明治に入って木を薄く切る技術が普及し、持ち運びに便利な折り箱ができた。このおかげで折り詰めの弁当が広がったようだ」と説明する。

「当時の味」今も

 創業当時の折り詰め弁当にどんなおかずが詰められていたかは文献が残っておらず、残念ながらほとんど分からない。ただ、江戸時代の画家、柴田是真が、同店の折り詰め弁当を題材に「雪と見る 笹折詰の弁当は 月の玉子や 花の桜煮」と狂歌を詠んでおり、玉子焼きはあったと推測される。

 同店のおかずは、今も砂糖としょうゆをたっぷり使った甘辛の濃い味だ。薄味が主流となった昨今、「調味料の分量を間違えたのでは?」との問い合わせもあるというが、「これぞ江戸の味!」と支持する熱狂的なファンも多い。「嗜好(しこう)品として楽しんでもらえれば」と樋口さん。

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