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【松本真由美の環境・エネルギーDiary】福島沖に浮かぶ発電設備、実証は継続

浮体式洋上変電所「ふくしま絆」
浮体式洋上変電所「ふくしま絆」
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 東日本大震災に見舞われた福島の復興のシンボルとして注目されている「福島復興浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」(2011~18年度)。最終年度を迎えるに当たり、3基のうち2基の実証期間を1年延長するとともに、1基を撤去する方針が打ち出されました。

 ■総括委員会が成果検証

 洋上風力発電には、風車などの発電設備を支える基礎部分を海底に固定する「着床式」と、海に浮かべる「浮体式」があります。浮体式は世界でもまだ実例が少ないものの、日本の場合、周辺海域の水深が深く、海底の地形も複雑なことから、浮体式も有望視されています。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によると、日本近海で洋上風力が導入可能な面積は、浮体式が着床式の約5倍あるそうです。

 同実証研究事業は、国から委託を受けた「福島洋上風力コンソーシアム」(東大と丸紅など企業9社)が実施しています。13年11月に、風力発電設備「ふくしま未来」(2メガワット風車)と浮体式洋上変電所「ふくしま絆」を実証海域に設置し、15年12月には風力発電設備「ふくしま新風」(7メガワット風車)、17年2月には同「ふくしま浜風」(5メガワット風車)を増設し、浮体式ウィンドファームの実証を行ってきました。

 実証期間が最終年度を迎えるに当たり、これまで得られた成果を客観的に総括する総括委員会が設置され、福島県沖での事業化を見据えて安全性、信頼性、経済性に関する検証を行うとともに、今後のあり方を検討しました。その結果が昨年8月に公表されました。

 同委員会は(1)世界初の複数基による浮体式洋上風力発電システムの実証である(2)世界最大級の風車を浮体構造物に搭載し実証海域に設置した(3)浮体式の洋上変電所を設置した-ことを評価しています。また、世界最大級の風車組み立てを可能とする小名浜港(福島県いわき市)の地耐力(地盤の荷重に対する耐力)を強化し、地元企業による風車タワーやケーブル用ブイの製造、風力発電事業と漁業の共存について検証したことを「実績」としています。

 ■2基の運転1年延長

 総括委員会は、2メガワット風車について、稼働率(稼働していた時間の割合)が94・1%、設備利用率(実際の発電量が、定格出力での発電量の何%かを示す数値)が32・9%(17年7月~18年6月)で、商用水準に達していると認めました。そのうえで、浮体式特有の高い維持管理費の低減に向けた取り組みや、長期の運転実績の積み重ねによる保険料の低減など、今後の導入に向けた環境づくりのため、2メガワット実証機は運転継続が必要と判断されました。

 5メガワット風車の稼働率は61・3%、設備利用率は18・5%(17年7月~18年6月)でした。初期の不具合により稼働率が一時低迷した期間もありましたが、運転時間の経過とともに改善しており、今後信頼性が高くなると見込んでいます。運転期間が1年5カ月と短く検証が不十分なため、引き続きデータを取得し、安全性・信頼性の実証を行っていくことが必要と判断されました。

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