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【王位継承物語】21世紀の君主制と皇室 「継続と安定」もたらす宝

平成最後の新年一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻 =1月2日、皇居・宮殿「長和殿」(桐原正道撮影)
平成最後の新年一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻 =1月2日、皇居・宮殿「長和殿」(桐原正道撮影)

 □関東学院大教授・君塚直隆

 「君主制は人類の有する制度の中でもっとも古く、もっとも恒久性のある、それゆえもっとも光栄ある制度の一つである」

 これはドイツ出身でのちにアメリカで活躍した憲法学者カール・レーヴェンシュタインが、名著『君主制』(1952年)のなかで述べた言葉である。この本が刊行された年に、現存する君主のなかで最長在位記録を更新中の英国のエリザベス2世女王が即位した。

 それから67年の歳月が流れた。いまから1世紀ほど前には、地球の陸地面積の大半を占めていたのは、ヨーロッパに君臨する帝国や王国とその植民地であった。当時は「共和国」のほうが珍しいぐらいだった。それが2019年現在、国連に加盟している193カ国中、君主制をとるのはわずか28カ国(これに英国君主が国家元首を兼ねる英連邦王国も含めると43カ国)になってしまった。「君主国」がいまや少数派なのである。

 しかし、本紙でこれまで5年にわたって続けてきた連載からもおわかりいただけたように、君主制をとっている国の人々が21世紀から取り残された「時代遅れ」の人間なわけでは決してない。それどころか、市民参加、男女平等、人権擁護、地球環境の保全など、世界の最先端をいくさまざまな課題に積極的に関わってきたのがそれらの国であり、しかもこうした動きにそれぞれの国の王室が深く関わっているのだ。

 君主制であれ共和制であれ、その時々の時代の要求に慎重に耳を傾け、これにきちんと対応できない限り、国民の多くからの信頼を失い、姿を消す運命にあるといえよう。

 事実、レーヴェンシュタインの著作が世に出てから、中東やアジアでは多くの君主国が姿を消し、そのあとに人民の支持のもとに打ち立てられた共和国までもが、長期独裁体制に陥って、俗に「アラブの春(2010~12年)」と呼ばれた改革運動のなかで倒壊させられていったことは、読者の記憶にも新しいことだろう。

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